照明

熱輻射と黒体輻射

熱輻射(熱放射)について色々考えている。 WikiPediaによると、その定義は下記。 熱輻射とは、熱が電磁波として運ばれる現象。または物体が熱を電磁波として放出する現象をさす。 熱を運ぶ他の方法には、熱伝導、熱対流があるが、熱伝導は物体が移動せず直…

アメリカの我が家に初めてのLED照明

今日久々にMountain Viewにある「倉庫型大型店舗(Costco)」に出かけたら、LED電球が幾つか置いてあった。 何度か書いた様に、アメリカの家庭では、LEDへの切り替えの前に電球型蛍光灯(CFL)への切り替えが進むと、筆者は考えている。下の写真にある様に、電球…

「サファイア基板」と「GaN基板」の比較

昨日の比較の中で「(1)サファイア基板+GaN発光層」と「(5)GaN基板+GaN発光層」をもう少し詳しく比較してみた。 値段以外は圧倒的にGaNを基板に使った方が良い事が分かる。 まあ、格子定数がかなり違うサファイア(Al2O3、酸化アルミニウム)の上にGaNをエピ成…

LEDの基板と発光層

青色の発光ダイオード(LED)に現在使われている、またはこれから使われようとしている「基板層」と「発光層」の組み合わせを纏めてみた。 (1):「サファイア基板」の上に「窒化ガリウム(Ga N)」 をエピタキシャル成長させて製造する方法。今一番ポピューラー…

「IV-IV族」

繰り返しになるが「LSIチップ」「太陽光発電パネル」「LED照明」とも半導体が基本的な素子として使われている。 暫く前のブログで、色々な半導体を「バンドギャップ」の大きさ(小さい順)でリストアップした。WikiPediaを参照しているがここに再掲すると、 …

温度が上がると暗くなる

半導体を使う製品に共通の問題は「温度があがると性能が落ちる」と言う事。 「太陽光発電パネル」も熱くなりすぎると発電効率が落ちる。「LSIチップ」も熱くなりすぎるとトランジスターのスイッチング速度が落ち誤動作を引きおこす。 同じ様に「LEDチップ」…

LED照明器具の明るさの時間・温度依存性

手持ちのデジタル照度計とデジタル温度計で市販のLED照明器具の明るさの時間・温度依存性を測定してみた。 デジタル照度計をホテルの部屋のドアにガムテープで貼付けて照度(ルクス)を読める様にし、照明器具をスーツケースの上に固定して測定。時間ととも…

LED照明機器用のレンズ

高速バスで徳島駅前から大阪(難波)まで約2時間半。暖房の入ったバス内で揺られると、一気に睡魔が襲ってくる。 大阪でレンズメーカの方と打ち合せ。この会社はこれまでデジカメ向けのレンズとかを作っていたが、最近はLED照明機器用のレンズに力を入れて…

徳島

今日は、徳島に来ている。徳島県は「LED立県」を目指しており、先月お台場で開かれた徳島県フェアでは面白い話が色々あった。(県知事の話が一番面白かったが) 今日は非常に軽量なヒートシンクの開発を行っている徳島県の会社の方と色々技術的な話が出来た…

LED照明の発光効率

今、羽田のJALのラウンジで台北行きのフライトを待っている所。 来週の月曜日が春節なので、その前に一通り打ち合せと今後の方向付けを済ませてしまいたい。 今朝は神田のホテルを10時にチェックアウトした後、お台場のビッグサイトで開催中のLED関連の展示…

玄関の常夜灯

玄関の常夜灯が切れたので安いCFLに取り替えた。このCFL、1個なんと20セント(=16円)。 白熱電灯75W相当の明るさが19Wで実現出来ると書いてある。仮に1ヶ月つけっぱなしにすると、 19W x 24h/日 x 30日/月 = 13,680Wh/月 住んでいるMountain Viewでの電気代…

サファイア ウエハ

昨日、お台場の日航ホテルで開かれたセミナーに参加したが、そこでプレゼンのあった並木精密宝石株式会社のサファイアウエハ製造のプロセスが面白かった。 サファイア(Al2O3)は、LED素子を作る際の基板(ウエハ)として用いられているが、筆者はてっきり半導…

LEDチップ・モジュールのBridgeLux社が$15Mを追加で調達

週末にアメリカに帰って来た。シリコンバレーもすっかり「秋」。 久々にLED照明の話。アメリカにあるLEDチップ・パッケージ開発製造のベンチャー企業のBridgeLux社が$15Mを追加で集めたとの事。出したのは、下記のVC。 VantagePoint Capital Partners DCM El…

LED照明への切替

今回台北に数日滞在したが、色々な所でLED照明への切替が進んでいると感じた。 ホテルでも、駅でも、道路でも、LED照明が身近になっている。 白熱灯やハロゲンや水銀灯の様な電力を喰う光源からLED照明に切り替えると、大体2年から3年で元が取れるとの事。…

バンドギャップ

太陽光発電やLEDの事を勉強していると、かならずバンドギャップ(Band gap、禁止帯、禁制帯)の話になる。 「バンドギャップ」の広義の意味は、結晶のバンド構造において電子が存在できない領域全般を指す。 ただし半導体、絶縁体の分野においては、バンド構…

低い力率による電気の無駄

しばらく前のLED電球の力率の話の続き。 このLED電球は、力率が0.6なので、 有効に消費した電力: 6.5 W 実際に消費した電力: 10.85W であるが、仮に力率が蛍光灯並の0.95だとしたら、 実際に消費した電力: 6.5W÷0.95=6.8W になるはず。その差は電球1個あた…

Power Factor(力率)

某社の昼光色(Cool White)のLED電球を買って来た。 箱に書いてある「仕様」は、「全光束」が420ルーメン(Lm)、「定格消費電力」が6.5W。 これで「ワットあたりルーメン」を計算すると「420Lm÷6.5W=64.6Lm/W」となる。最近は昼光色では「75~85Lm/W」位の製品…

LED素子を用いた卓上照明器具(デスクライト)

右の写真は、先週泊まった東京のホテルに置いてあったLEDを使った卓上照明器具です。 LED素子が20個乗った基板がそのままむき出しになっている。 始め見た時は変な感じがしたが、点けてみるとなかなか良い具合。ちらつきも感じない。この色が好きかどうかは…

表示用途のLED素子

先日、「照明用途」に用いられる白色LED照明の寿命の定義は、「全光束が点灯初期の値に対して70%になるまでの総点灯時間」と書いたが、LEDのもう一つの用途の「表示用途」では、寿命の定義は「50%になるまでの総点灯時間」となる。 「表示用途」のLED素子…

白色LEDの寿命の定義

右の写真は週末に泊まった関西の某ホテルの照明。4つのシャンデリア形式の照明が比較的大きなフロアを照らしている。どれ位のサイズの白熱電球が幾つ位使われているのか遠すぎて分からなかったが。 「どれ位の頻度で電球が切れますか?」とホテルの人に聞い…

直管型LED照明器具(3)

「直管型LED照明器具の色々な方式が分かりづらい」というコメントを貰ったので、一覧表に纏めてみた。(クリックすると拡大します) (1)チューブの中に無理矢理電源回路(AC→DC)を押し込んだケース。 今のところ、中国製とかを中心にこれが多い。電源回路の分…

直管型LED照明器具(2)

直管型のLED照明器具は、オフィスの照明用電力消費を半分に減らすと期待されている。 但し、先日このブログに書いた様に、今世の中に出回っている直管型LED照明器具は、現状の「G13」の口金にそのまま挿せる形状で、かつ「AC→DC変換回路」をチューブの中に内…

LED電球の力率

日本のメーカーのLED電球の力率がどれ位か、各社のウエブを色々調べてみましたが、調べた限りではパナソニックも東芝もシャープもウエブサイトには載せていませんでした。多分、大分悪いのでしょうかねぇ。もう少し調べてみます。 外国のメーカーはどうかと…

Power Factor(力率)

交流電力を使う場合、あまり意識しない隠れたファクターとして「力率」というものがある。英語で言うと「Power Factor」である。 これは何かと言うと、wikipediaでは、 力率(りきりつ、Power factor)は、交流電力の効率に関して定義された値であり、皮相電…

ナトリウムランプ

日本のトンネル等で見かける黄色い光のナトリウムランプは、アメリカやヨーロッパでは非常にポピュラー。Mountain Viewの我が家の廻りの街灯も、ほとんどすべて黄色い光をあやしげに放っている。 ナトリウムランプは、ナトリウム蒸気の放電発光を利用した放…

AC→DC回路を一ヶ所にまとめよう

省エネをはかる際に、オフィスで一番電気を使っているのは冷暖房であろう。季節性はあるが。 次が、照明では無いかと思う。オフィスによってはコンピュータやサーバーの消費する電力の方が多いかもしれない。 照明に関しては、やはり今の蛍光灯を、直管型LED…

アメリカに於けるLED電球の値段

先日、シリコンバレーのホームセンター(Home Depot, Orchard Supply Hardware)に行った折に、LED電球がどれ位の値段で売られているか見て来ました。少し見づらいですが、クリックすると拡大します。 これはPhilips製。明るさは分かりませんが、24.97ドル。 …

LED照明用の電源回路はどこに置く

4日前に書いた台湾の道路用照明も、電源回路(AC→DC)は照明器具の外に置く様に設計されている。 このLED照明の寿命は50,000時間なので、毎日12時間点灯したとして、50,000÷12÷365=11.4年となる。しかし電解コンデンサーの寿命はそこまで保たないこともあるの…

直管型LED照明器具(1)

普通の白熱電球がLED電球に置き換わるのは、2012年位から本格化しだすのではと思う。LED電球の値段はまだまだ高いものの、40ワット置き換えモデルでは2,000円を切る様になって来た。電気代が1/10とかになるので、1〜2年で元が取れる。 ただ、オフィス等で何…

中国の第12次5カ年計画(LED産業)

今年3月に採択された中国の第12次5カ年(2011~2015)計画では、下記の目標が定められた。 半導体照明(LED)産業の生産額の年平均成長率を30%前後とする 関連製品の市場シェアを 機能性照明で20% 液晶バックライトで50%以上 景観装飾などで70%以上 自主創新能力…