ナトリウムランプ

日本のトンネル等で見かける黄色い光のナトリウムランプは、アメリカやヨーロッパでは非常にポピュラー。Mountain Viewの我が家の廻りの街灯も、ほとんどすべて黄色い光をあやしげに放っている。
ナトリウムランプは、ナトリウム蒸気の放電発光を利用した放電管で、波長589.0nmおよび589.6nmの「D線」と呼ばれる黄色のスペクトルが強く放出される。
発光効率が80~120ルーメン/ワットと、LED照明と比べても遜色無い。昔書いたこちらの記事に比較表在り。
日本では、高速道路灯では「水銀灯」や「メタルハライドランプ」が多いが、霧の発生し易い御殿場あたりの山場や、トンネルの中ではこのナトリウムランプが使われている。これは、ナトリウムランプの発光波長が589nmと、可視光では比較的長い波長であるため、排気ガス中の煤煙の粒子による散乱・吸収が少なく、空気中での光の透過度が優れ、遠方の視認性が良い為らしい。
なお、人間の目が明るいと感じるのは555nmがピークで、右図の様にその両側に行くに従って下がっていく。ルーメンと言う単位もこの人間の目の見え方に比例して換算されるので、青色LEDのチップ(460nm近辺)に黄色の蛍光体を組み合わせて擬似的に白色に見せている今のLED電球では、ルーメン値的には不利。555nmに近い589nmの単色光のナトリウムランプの方がルーメン値を稼げる。
ナトリウムランプに関するWikipediaの記述はこちら