送電

米国に於ける高圧送電線建設

下のグラフは、米国に於ける高圧送電線建設の毎年の敷設距離の推移である。 「高圧」の定義が、1990年ごろまでは132kV以上を、それ以降は200kV以上と変わったが、それでも、1960年代から1970年代の建設ラッシュがよく分かる。 電力自由化に関わる混乱のピー…

カリフォルニア州の南北送電線の整備

カリフォルニア州は南北に長く、北部(サンフランシスコ・シリコンバレー・サクラメント等)と南部(ロスアンジェルス・サンディエゴ等)地域に大きく分かれている。 電力網的にも、北部はPG&Eが、南部はSCEとSDG&Eがそれぞれの仕切っており(これらに所属し…

テキサス州での送電網開発プロジェクト(CREZ)

数日前に書いた、テキサス州での送電網開発プロジェクト(CREZ : Competitive Renewable Energy Zone)は、10社のTSP(Transmission Service Provider)へ、分割して発注されている。 総工費予想が$6,948M。 この10社のTSPがどんな会社か、それぞれの受注額がど…

ERCOTの送電線建設資金はユーザーが負担

ERCOTの送電線建設資金は、ERCOT管内のユーザーが負担することになっている。 総工費の約$6.8B(約6,800億円)を、ERCOT管内のユーザー(Rate Payer)の22,000,000人で割ってみる。 $6,800,000,000 ÷ 22,000,000人 = $309/人 う〜〜ん、ユーザー一人当たり309ド…

テキサス州に於ける送電網(コスト)

テキサス州(ERCOT管内)に於ける送電網の話がしつこく続きます。 同じ2014年4月の資料より、風力発電重点設置エリア(CREZ)から東南部への各送電線建設プロジェクトのコストを。 当初は11プロジェクトだったが、途中で1つは採算性と有効性に疑問が出てドロップ…

テキサス州に於ける送電網(CREZ)

昨日の記事で、テキサス州に於ける送電網の話を書いたが、下図が現在(2014年3月)の完成度を示している。緑色が既に完成している部分で、青色が現在建設中。 色のついている5つのエリアが、風力発電重点設置エリア(CREZ)。 南西部で一部建設中(青色)の送電…

Enel Green Power社が風力発電建設資金として$400M調達

Enel Green Power社というイタリアにある発電会社が、米国で建設中の風力発電建設資金として、$400M調達したとの事。Equity FinanceでVoting rightに制限のある株式を発行するとのこと。 $400Mが建設費すべてかどうかどこにも書いていない。 他の州での風力…

FRT(Fault Ride Through)

話が非常に細かくなって申し訳ない。どちらかと言うと自分の忘備録としてアップします。 分散型電源(グリッドに繋がる「太陽光発電」や「風力発電」や「蓄電装置」)が電力系統に対してネガティブスパイラルを起こして大きな問題(停電等)にならない様にす…

ループフロー問題

送配電網の構築と維持は一筋縄ではいかないが、最近欧州で大きな問題となっているのは「ループフロー」という現象である。ドイツからフランスに電力を送る際に、近隣国のベルギーとかに影響が出たりする。 以下、NEDOの「再生可能エネルギー技術白書 第 9 章…

送配電網の何百万というポイントで、リアルタイムに電圧をモニター

送配電網は生き物の様にそれぞれのポイントの電圧や周波数が上がったり下がったりする。 電力会社や、系統運用者はこれまでは代表的な地点での値しか把握出来ていなかった。 停電等を防ぎ、最適な電力供給を行う為にはもっとデータポイントを増やす必要があ…

アンシラリーサービスの定義

もう一度、アンシラリーサービスの定義に遡って考えてみる。 FERC(The United States Federal Energy Regulatory Commission )は、Order 888で下記の様に定義している。 "those services necessary to support the transmission of electric power from sell…

デマンドレスポンス(DR)を如何にアンシラリーサービス(AS)に使うか

数日前に参照した、米国でのアンシラリーサービスのワークショップのこのレポートをつらつら読んでいるが、「デマンドレスポンス(DR)を如何にアンシラリーサービス(AS)に使うか、その際の問題点は何か」について色々考えさせられた。 技術的な問題点(負荷提…

1987年7月23日首都圏大停電

北米と欧州の大停電の記事を書いたので、27年前に日本で起きた大停電の記録もWikiPediaから。 こういう過去の経験が非常に貴重であると感じる。 1987年7月23日首都圏大停電とは、1987年7月23日に日本で発生した大規模な停電。東京都などの6都県の、280万戸(…

FERCとNERC

米国の電力事情を調べると「FERC」と「NERC」という組織の名前が頻発する。 改めて、その違いを書くと、 FERC Federal Energy Regulatory Commission 連邦エネルギー規制委員会 管轄は、米国のみ NERC North American Electric Reliability Corporation 北米…

米国に於ける「ISO/RTO」について

北米(米国+カナダ)では、発電と送電の分離が進んでいる。 非常に多数の「発電事業者」が口を突っ込む北米の送電網は、近年ますます複雑になってきており、一昨日と昨日書いた様に大規模停電の危険性と隣り合わせである。 送電網を管理するのは「系統運用…

2006年ヨーロッパ広域停電

昨日米国で2003年に発生した大停電の事を書いたので、今日は2006年11月4日にヨーロッパで発生した停電について。 大型客船航行のために、河川上部を通る送電線を停止した事に起因し、11カ国に及ぶ広域停電が発生。 元ネタのWikiPediaの日本語版を若干編集し…

2003年北米大停電

2000年〜2001年のカリフォルニア電力危機と同じ様に、良く引き合いに出されるのが、「2003 the north America massive black-out(2003年北米大停電)」である。 こういう「連鎖反応的なダウンの拡大」というのが、送配電システムが複雑になるに従って実に怖…

アンシラリーサービス

「アンシラリーサービス」とは日頃あまり使わない言葉であるが、日々の電力供給を行う上で非常に大事である。日経BP TechONによる定義は下記の通り。 英語でアンシラリー(Ancillary)とは、「補助的な」「付属の」という意味である。電力用語のアンシラリー…

送配電網整備は$100Bのビジネス

アメリカのGEと中国のXD Electricが、送配電網ビジネスで提携を組んだとのこと。 送電(Transmission)と配電(Distribution)は、これまでも大事だったがこれから更に重要になってくる。 米国では、今の時点では消費地に近い場所での火力と原子力発電所が中…

テックビレッジコラム

テックビレッジに「ギガワット級の太陽熱発電所を建設,分散型発電の課題に対応できる送電網を構築へ」というタイトルでコラムが掲載されました。 下の写真は、コラム中に出て来るSolar Millennium社のトラフ型集熱装置。

停電と電線

因に、昨年の夏ご町内だけが停電になったことがあった。このとき、24時間以上回復しなくて大変困った。町内の柱上変圧器が壊れたか、どこかの架線が切れたかしたのだろうが。なお、町内の道路には電柱が立っていなくて見た目は奇麗だが、反対に後ろの家との…

Tech Village(直流送電を前提としたインフラ整備)

CQ出版のTech Villageに「直流送電を前提としたインフラ整備の検討が進んでいる」と言うタイトルでコラムが掲載されました。http://www.kumikomi.net/archives/2010/12/co48cl03.php是非ご覧下さい。