アンシラリーサービス

「アンシラリーサービス」とは日頃あまり使わない言葉であるが、日々の電力供給を行う上で非常に大事である。日経BP TechONによる定義は下記の通り。

英語でアンシラリー(Ancillary)とは、「補助的な」「付属の」という意味である。電力用語のアンシラリーサービスは、電力品質(周波数や電圧)を維持するために電力系統運用者が日々行っている、周波数制御などの系統運用サービスのことであり、電力ビジネスにとって非常に重要なサービスのことである。
アンシラリーサービスをおろそかにすると、周波数や電圧が変動し、家庭の照明が明滅したり、モーターを使う工場では製品の品質にムラが発生するなど、様々な悪影響が発生する。極端なケースでは大停電になることすらある。

日本では、10電力会社が、各地域で垂直統合型で「需要と供給」をマッチングさせているが、米国では「発電」と「送電」を分離している上に、アンシラリーサービスをまた別のサービスとして切り出して提供しようとしている。
カリフォルニア州は、2020年までに再生可能エネルギーによる発電を33%にしようとしているが、それに伴って2020年までに1.3GWの蓄電能力を各電力会社が備える様に法制化した。詳細は、以前のこのブログを参照のこと。
DoEの「Load Participation in Ancillary Services」のワークショップの議論を纏めた2011年のこのレポートが良く纏まっている。かなり細かい議論が文書化されており、なかなか理解しづらいが...
非常に大ざっぱに言うと、需要側のアップダウンやピークカットはDR(Demand Response)で、供給側のLoad MatchingはAS(Ancillary Services)で、ということである。
下図はPSUのサイトよりの借用だが、事前に予想していた需要(青線)実際の需要(赤線)調整(緑線)することにより、電圧や周波数を安定化させる概念を示している。