来週の月曜日にいよいよ皆既日食がオレゴン州・アイダホ州を通過する。
カリフォルニア州は部分日食ではあるが、太陽光発電施設への日照が大きく下がる(1つ目の図に示すように、モハベ砂漠地帯で65%の低下)。
このため、系統運用者(CAISO)は、だいぶ前から準備してきている。
太陽光発電の昼間の電力需要への寄与が近年大幅に上がっているため、下がった分の電力を用意しなければいけないが、問題はその急峻なランピング(上下動)への対応である。
「同時同量(バランシング)」が崩れると、周波数・電圧が変動し、最悪の場合、発電機が解列を始め、それが伝播する。
2つ目の図は、大型ソーラー施設での発電量の変化を示しているが、最初の1時間半の間に5GW程度の下落、次の1時間半の間に5GW程度の上昇が予定されている。
なお、日照量の上下は、上記の大型の施設(電力会社へ供給される)への影響の他に、需要家サイドの置かれている分散電源への影響も大きい。需要家側のソーラー(ルーフトップ等)はグリッドよりの需要を減らす効果が大きいが、それらが発電量を減らすと、グリッドへの需要がその分増える。
ちなみに、下の図が、部分日食により、カリフォルニアの需要家側の発電が減り「見かけ需要(Load)」がいかに増えるかの推定グラフ。
ピーク時で、2.3GW程度の需要増となる。
大型ソーラーの供給減と、需要家側の需要増を、うまくコントロールしなければいけない。
かつ、それぞれの地域ごとに。
電力は、地域ごとの需給調整が大事なので。