北米(米国+カナダ)では、発電と送電の分離が進んでいる。
非常に多数の「発電事業者」が口を突っ込む北米の送電網は、近年ますます複雑になってきており、一昨日と昨日書いた様に大規模停電の危険性と隣り合わせである。
送電網を管理するのは「系統運用者」であるが、米国ではISOとRTOが存在する。以下、日経BPのサイトを参考に纏める。
- ISO
- Independent System Operatorの略。「独立系統運用機関」
- 送電網の運用・管理を担う、電力会社から独立した組織である。
- 送電網の所有権は電力会社に残したままの場合が多い。
- 米国におけるISOは、米国連邦エネルギー規制委員会(FERC)が1996年に規定したOrder888によって、その設立が奨励(注:義務ではない)されている。
- 管轄する域内の発電会社の電力供給計画を事前に集計し、電力需給のバランスを維持し、リアルタイムで周波数を維持する責務などを持つ。
- RTO
- Regional Transmission Organizationの略。
- ISOを州をまたがって広域化したもの。
- ISOの機能に市場参加者からの独立性や送電網拡張計画の策定責任などの要件が付け加えられる。
- 全ての州で採用されている訳では無い。
北米に於ける大規模な「ISO/RTO」は下記であり、そのサポートする地域を下図に示す。
なお、この地図はFERCのこのサイトより転載した。