ERCOTの送電線建設資金はユーザーが負担

ERCOTの送電線建設資金は、ERCOT管内のユーザーが負担することになっている。
総工費の約$6.8B(約6,800億円)を、ERCOT管内のユーザー(Rate Payer)の22,000,000人で割ってみる。
  $6,800,000,000 ÷ 22,000,000人 = $309/人
う〜〜ん、ユーザー一人当たり309ドルなり。
毎月7ドルを全ユーザーに負担してもらうと、
  $309/人÷$7/人・月 = 44 ヶ月 / 人 = 約3.7年/ 人
まあ、2200万人というのは子供とかも含めた全人口だし、ビジネスユーザーは多めに負担するだろうが。
ERCOTは、電力小売りも自由化している数少ない州であり、電力代金は比較的安定していると言うが、送電線建設コストを全ユーザーに幅広く負担してもらい、一気に約$6.8B(約6,800億円)投資すると言うのはかなり勇気が要る。
下図は、テキサス州の風況。風が強く吹くのは北部と西部。人口産業密集地(ヒューストン、サンアントニオオースチン、ダラス、フォートウォース)は東部と南部。

なお、テキサス州には、合計で100GWの風力発電リソース(風のリソース)があるとのこと。
(ERCOT管内での過去の最大電力消費量は2011年8月3日に記録した68GW)
ただ、西部北部で強く風が吹くのは朝と夜の為、午後4時〜5時のピーク寺の電力需要とは呼応しない。
南部のメキシコ湾岸地域には2GWの風力発電があり、当地域では夏季、午後1時〜1時半や、午後4時〜5時に風が吹く傾向があるためピーク時の電力供給に役立っているとの事。
余談だが、筆者が昔働いていた日本の某大手半導体会社は、フォートウォース(Fort Worth)に大きな半導体組み立て(後工程)工場を持っていて、筆者も一度訪問した事がある。