もう一度、アンシラリーサービスの定義に遡って考えてみる。
FERC(The United States Federal Energy Regulatory Commission )は、Order 888で下記の様に定義している。
"those services necessary to support the transmission of electric power from seller to purchaser given the obligations of control areas and transmitting utilities within those control areas to maintain reliable operations of the interconnected transmission system."
これだけでは何の事やら分からないので、電気学会の「電力自由化と系統技術 第4章 アンシラリーサービス」を引かせてもらうと下記になる。(太字は筆者。)
電気事業の主たるサービス(プライマリサービス)は、電気エネルギーの供給であるが、それを確実に行うためには、 エネルギー供給には直接結びつかないような数多くのサービスが必要とされる。その中で、特に系統運用機関 (ISO/RTOや送電ネットワーク運用者)が発電事業者から調達するものが、主として北米でアンシラリーサービス(補助的なサービス)と呼ばれている。
FERCはOrder 888の条文の中で、具体的に下記の6点をあげている。
1) scheduling, system control and dispatch
- 電力供給のスケジューリング、系統制御および給電に関するサービス
2) reactive supply and voltage control from generation service
- 発電設備からの「無効電力供給(reactive supply)」および電圧制御に関するサービス
3) regulation and frequency response service
- 系統の周波数の調整に関するサービス
4) energy imbalance service
- 電力が供給者側と消費者側でインバランスになった場合にそれを調整するサービス
5) operating reserve : synchronized reserve service
- 「瞬動」予備力を維持・提供するサービス
6) operating reserve : supplemental reserve service
- 「運転」予備力を維持・提供するサービス
これらを「プライマリサービス」から分けて「補助的なサービス」として、しかし「非常に大事である」と定義している。
これらの6種類の個別の「サービス」のついては、また追って書きます。