カリフォルニア州の南北送電線の整備


カリフォルニア州は南北に長く、北部(サンフランシスコ・シリコンバレーサクラメント等)と南部(ロスアンジェルス・サンディエゴ等)地域に大きく分かれている。
電力網的にも、北部はPG&Eが、南部はSCEとSDG&Eがそれぞれの仕切っており(これらに所属しない電力会社も一杯あるが)、地産地消の原則でいままで電力の融通は少なかった(なお、カリフォルニア州は日本より広い)。
ただ、ここ20年、北部と南部の電力の融通が必要になってきており、両地域を結ぶ電力網(送電線)の増強が必要になってきた。
特に、「PATH 15」という、カリフォルニアの南北を通じる送電設備のうちで、送電混雑が多発する箇所の増強が課題になっていた。
このため、連邦エネルギー長官の指示により、連邦の機関である西部地域電力管理局が主体となって、Path15の増強を行った。

  • 増強内容
    • 500kV送電線1回線増設
    • 変電所2ヶ所増強
    • これらにより、既設390万kWの送電容量に約150万kW増強
  • 事業参加者
    • 西部地域電力管理局  : 全体の調整と送電設備
    • Trans-Elect(独立送電会社) : 出資
    • PG&E(地元電力会社)  : 変電設備・一部送電設 備の増強
  • プロジェクト実施のため、事業報酬率を高め(通常より2%)に設定することがFERCにより認められている。
  • 事業参加者は、Path15増強により増加した送電容量を、送電権の形式で受け取ることが出来る(下表)。
  • 2003年9月に建設作業を開始し、2004年12月完成

以上元ネタは、この経産省の資料です。