LED照明器具の明るさの時間・温度依存性

手持ちのデジタル照度計とデジタル温度計で市販のLED照明器具の明るさの時間・温度依存性を測定してみた。
デジタル照度計をホテルの部屋のドアにガムテープで貼付けて照度(ルクス)を読める様にし、照明器具をスーツケースの上に固定して測定。時間とともに変化する照明器具の温度と照度を同時測定。デジタル温度計はガンの様な格好で「赤外線」を計測する方式なので使い勝手も精度も今ひとつだが、まあ相対値は得られる。
測定したのは日本の大手の照明器具メーカー(D社)の2,500ルーメンのLEDトラックライト。
下のグラフは温度変化。横軸が時間で2時間測定、縦軸がヒートシンクの温度。なお、ヒートシンクの温度なのでLED素子の接合(Junction)面温度はこれよりも更に30~40度は高いと思われる。あくまでヒートシシンクの表面温度であるが、1時間後には30度近くも温度上昇し60度近くになり触るのが若干怖い。

下のグラフが照度変化。横軸が時間で同じく2時間測定、縦軸が最初の照度(ルクス値)を100%とした時の比率(%)。この照明器具では2時間後に15%も照度が落ちている

蛍光灯は最初が暗くてだんだん明るくなるが、LED照明器具は反対に最初が一番明るくて時間とともにだんだん暗くなる。でも15%は落ち過ぎ。
本当は点灯後時間が経って照度が落ち安定した後の明るさを表示すべきであるが、慣例として、装置を点灯した時点のLED接合面の温度(25度)でのルクス値を表示する。
「LEDに替えたら暗くなった」と言われる理由の一つがこれ。