バンドギャップ

太陽光発電やLEDの事を勉強していると、かならずバンドギャップ(Band gap、禁止帯、禁制帯)の話になる。

「バンドギャップ」の広義の意味は、結晶のバンド構造において電子が存在できない領域全般を指す。 ただし半導体、絶縁体の分野においては、バンド構造における電子に占有された最も高いエネルギーバンド(価電子帯)の頂上から、最も低い空のバンド(伝導帯)の底までの間のエネルギー準位(およびそのエネルギーの差)を指す。
電子がバンドギャップを越えて価電子帯と伝導帯の間を遷移するには、バンドギャップ幅以上の大きさのエネルギー(光や熱)を吸収または放出する必要がある。半導体素子においてはこのようなバンドギャップ周辺での電子の遷移を制御することによって、様々な機能を実現している。
バンドギャップの大きさ(禁制帯幅)を表す単位としては通常、電子ボルト(eV)が用いられる。(以上、WikiPedia

良く出て来る元素(IV族)・化合物(III-V族)のバンドギャップを小さい順に並べてみる(同じくWikiPediaから)。
ゲルマニウム(Ge)    0.67 eV (IV族)
窒化インジウム(InN)  0.7 eV (III-V族)
ケイ素(シリコン=Si)  1.11 eV (IV族) → 太陽光発電
ヒ化ガリウム(GaAs)   1.43 eV (III-V族)→ 太陽光発電
テルルカドミウム(CdTe) 1.49 eV     → 太陽光発電
リン化ガリウム(GaP)  2.26 eV (III-V族)
・硫化ガリウム(GaS)   2.5 eV
炭化ケイ素(SiC)     2.86 eV (IV-IV族)
窒化ガリウム(GaN)   3.4 eV (III-V族)→ LED
ダイアモンド(C)     5.5 eV (IV族)
ダイアモンドは別格として、LEDに使われるGaNのバンドギャップが大きい(=エネルギーが高い=周波数が短い色(青紫色:365nm近辺)の光が出せる=3Vを超える電圧をかけなければいけない)事が分かる。
因に、IV族の炭素(C)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)は非常に面白い物性を持っているので、改めて取り上げてみたい。(いつの事やら....)