LEDの基板と発光層

青色の発光ダイオード(LED)に現在使われている、またはこれから使われようとしている「基板層」と「発光層」の組み合わせを纏めてみた。

(1):「サファイア基板」の上に「窒化ガリウム(Ga N)」 をエピタキシャル成長させて製造する方法。今一番ポピューラーでおそらく90%以上がこれであろう。問題点はサファイアが(a)熱伝導性が悪い(=基板に熱が逃げない)、(b)大きなサイズのウエハーを作りにくい(=高価になる)、(c)電気伝導性が無い(=表面から両方の電極を取り出さなければいけない)、等である。
(2):「シリコン(Si)基板」の上に「窒化ガリウム(Ga N)」 をエピタキシャル成長させて製造する方法。アメリカのBridgeLux社が量産に用いようと頑張っているが、Siの結晶格子(5.43 A)とGaNの結晶格子の格子定数が大きく違うため、Siの上にGaNを直接成長させようとするとクラックが入ってしまう。それでも、格子定数を徐々に変えるバッファー層を成長させる事で量産の目処をつけつつある模様。シリコン基板はLSIに使われており、不純物が少なく大きなサイズ(8インチ)のウエハーが廉価で入手出来る。
(3):CREE社が一番始めに使った方法で、「IV-IV族」の「Si C基板」の上に「Si C」をエピタキシャル成長させて製造する方法。「Si C」は基板としては優れているが「Ga N」に比べて発光効率があまり良くなく、CREE社も今は使っていない。
(4):そのCREE社が今使っている製造方法。「Si C基板」の上に「Ga N」をエピタキシャル成長させて製造する。「Si C」は熱伝導性も電気伝導度も良く、基板として最適。サファイアに比べればウェハーを大きく出来る。ただし、欠陥制御が非常に難しいらしい。
(5):「Ga N基板」の上に「Ga N」をエピタキシャル成長させて製造する方法。各社がトライしているが「Ga N」も大きな基板(ウエハ)を作るのが難しく、まだ量産化出来ていない模様。
(1)の方法の問題点である「サファイアは熱伝導性と電気伝導性が悪い」を補う為に、サファイアの上に「Ga N」の発光層を形成した上で、サファイアをレーザーで無理矢理剥がして(Laser Lift Off)、替わりに熱伝導性と電気伝導性がよい基板を貼付ける方法も各社がトライしている。