直管型LED照明器具(1)

普通の白熱電球がLED電球に置き換わるのは、2012年位から本格化しだすのではと思う。LED電球の値段はまだまだ高いものの、40ワット置き換えモデルでは2,000円を切る様になって来た。電気代が1/10とかになるので、1〜2年で元が取れる。
ただ、オフィス等で何百本〜何千本というオーダーで使われている直管型の蛍光灯は、そんなに簡単には置き換わらないのではと考えている。
今、開発や販売の中心になっているのは、細長い照明管の中に無理矢理AC→DC変換回路を入れ、既存のソケットにそのまま挿せる様になっているもの。
しかし、筆者の個人的意見としては、照明管の中にAC→DC変換回路を入れるのはかなり無理がある。

  1. 重くなるし、熱の問題がそう簡単に解決出来ない。電解コンデンサーが高温の中で5年も保つのだろうか?(なお、電解コンデンサーを全く使わない回路もある。)
  2. 既存の蛍光灯器具には安定器が内蔵されいるが、これにも磁気式スターター型、磁気式ラピッドスタート型、グローランプ型(昔懐かしい、でも古いオフィスでは今も使われている)、電子型、インバーター型、等色々な方式がある。直管型LED照明器具によっては使えない組合せがある。
  3. 今のソケットは端子の4本をACで使っているが、LEDになると、この内のどれか2本しか使わなくなる。LEDメーカーによってどの2本を使うかが異なる。
  4. 安定器をそのままにしても使えない事は無いかもしれないが、電気の無駄。
  5. 安定器を外すのは電気工事の資格を持っているプロに頼む必要あり。もし、改良工事を行ったあとで、違うタイプのLED蛍光灯を繋げると故障する可能性大。

簡単に考えると「今のソケットにそのまま挿せる様にしないと不便なので、管のなかに回路を入れて欲しい」と思うが、直管型LED照明器具のユーザーである所のビジネスユーザー(ビルのオーナー)がそう思うかどうかは疑問。
直感的にはそう思うかもしれないが、挿し間違えや、落下やらのリスクをまじめに考えると、躊躇すると思う。
ビルのオーナーにしてみれば、今の蛍光灯をLEDに変えるのは非常に大きな投資なので、慎重になる。「5年間電球が切れない」となると、なおさら最初の投資時によく考える。
やはり「あるべき姿」を考えて「安直な解」を取るべきでは無いだろう。