昨日のフライホイールの記事の続き。
再生可能エネルギー発電が増えると相対的に「火力+水力+原子力発電」が減る。
これらの従来型の発電は「同期型の発電機」であり、これが減ることは大きな問題となる。
因みに、同期型の発電機をWikiPediaで調べると、
同期発電機は、界磁の作る磁界が電機子巻線を横切る回転速度に同期した電力を発電する交流発電機である。
回転子が界磁の、回転界磁形が一般的に用いられる。
誘導発電機と比べると次のような特徴がある。
- 系統投入時の突入電流が小さい。
- 力率の調整が可能である。
- 周波数が一定であれば定速度で運転が可能であり回転系の振動設計に有利。
何が嬉しいかというと、「ガバナフリー」である点である。
「ガバナフリー」とは、電源というものは負荷(需要)が変わると周波数がそれに伴って変わるが、それを自動調整できるありがた〜〜い能力である。
そもそもは、発電機の回転速度を負荷の変動のいかんにかかわらず、一定の回転速度を保つように、動力である蒸気および水量を自動的に調整する装置である調速機 (ガバナ)と呼ばれる装置が一般的であったが、近年の大型の同期型の発電機(1基500MWとか)は、この「ガバナ」が不要で、自分で勝手に調整してくれる「ガバナフリー」と呼ばれる機能を備えるようになった。
で、今後非同期型の太陽光発電が劇的に増えて、反対に「ガバナフリー」であった火力発電が(相対的に)減ると、行わなければいけない周波数調整がより大規模になる。
例えば、「ガバナフリー」の発電機(火力+水力+原子力)が80%を占めているカリフォルニア州で、再生可能エネルギー発電が半分とかになると、今まで周波数調整にピーク電力の2%程度のリソースを用意しておけばよかったものが、4%とか5%とか用意しなければ周波数がグリングリン変動し、色々な装置に悪影響を及ぼし、最悪停電につながる。
中部電力のこの資料がわかりやすい。
https://www.occto.or.jp/oshirase/kakusfuiinkai/files/chousei_02_03_01.pdf