技術、価格のブレイクスルー狙う発電所レベルの太陽光発電+エネルギー貯蔵プロジェクト(ハワイ州)

ハワイ州のカウアイ島で実施される発電所レベルの新しい太陽光発電+蓄電プロジェクトでは、夕方5時から10時にかけて電力を供給することにより、温室効果ガス削減に加えピークデマンド削減への寄与が期待されている。
2016年、SolarCityはKauai Island Utility Cooperative(KIUC)の既存発電所に隣接する50エーカーの空き地に17MWの太陽光発電所を建設する。また同太陽光発電所には『52MWhのバッテリーシステム』も組み込まれる。
SolarCityは20年間の電力購入契約(PPA)のもとKIUCに電力を供給し、KIUCは14.5セント/kWhでこれを購入する。これはディーゼル発電による現在の価格よりも大幅に低く、KIUCが有する12MWの2つの太陽光発電(日中のみ出力)よりも若干高い程度である。
KIUCはエネルギー貯蔵システムの導入可能性を2年以上にわたり検討してきたが、いつもコスト面での問題がハードルとなっていた。今回のプロジェクトにおいては、KIUCはエネルギー貯蔵に関して使った分のみを支払えばよいため、コスト面の問題をクリアしながらも、太陽光発電をピークデマンドにシフトし、化石燃料を削減することのできる画期的なプロジェクトであるとKIUCのCEOであるDavid Bissell氏は述べている。
本プロジェクトの課題は、現行の投資税額控除(ITC:Investment Tax Credit)を受けるために急ピッチで建設を進めなければならない点である。ITCは2016年末に30%から10%に引き下げられるため、30%のITCを獲得するためには、2016年4月までに着工し、同年12月31日までに発電を開始する必要があり、そのためKIUCはハワイ州公共事業委員会(Hawaii Public Utilities Commission)に対して認可手続きを早めるように要請している。
バッテリーメーカーは未定であるが、この分野で技術力のあるTeslaが有力な候補である。バッテリーは電力信頼性に貢献し、特に周波数調整において大きな役割を担うと期待される。
KIUCがSolarCityに発注するのは今回が二度目であるが、前回のプロジェクトでは12MWの太陽光発電所が設置され、現在カウアイ島全体の約5%にあたる電力を供給している。
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