自分のメモが続きます。環境省が2012年12月にERCOTと面談したときの資料(報告書)を参考にしています。
- 価格設定方法
- ERCOT では、LMP(Locational Marginal Pricing、地点別限界価格)と呼ばれる価格設定方法を採用している。
- 従来、ERCOTでは、負荷ゾーン価格(load zone price) 制度と呼ばれる、特定の地域(ゾーン)内における全ての電力価格の平均値により価格が算出される方式を採用していた。
- これをERCOTでは近年、接続地点(ノード、node)単位で卸売価格を決定する方式へと転換した。
- 同方式では、送電混雑がない場合は、価格曲線に基づき全ての発電事業者の卸売価格は同額になるが、送電混雑が発生し、安価な電源からの電力供給が出来なくなった場合は、ノード別に送電混雑費用や限界損失費用を考慮した卸売価格が決定される方式である。
- 本方式のもと、 ERCOT が各発電事業者単位で入札価格を決定し、FERC の承認を得ている。
- 同方式のもと、発電事業者は独自のリスク要素を考慮の上価格設定を行うほか、「価格変動」にかかるリスクヘッジのため、長期的な相対契約締結や一日前市場での取引を活用している。
- 送電混雑のために売電出来ない場合の補償
- ERCOT では、送電混雑のために送電することが出来ない事業者に対する特別な補償は支払っていない。
- 事業者は、価格曲線に基づいて事業者自らが判断の上決定した価 格で取引を行うため、事業者は価格提出時に当然、(出力抑制への)リスクを想定したうえで利益が出るような価格設定を行っていると想定している。
- なお、従来の負荷 ゾーン価格制度が採用されていた当時は、発電事業者に出力抑制を要請する際に補償 を支払うという計算式(formula)が存在していた。
- しかし、価格曲線を基盤とするノード方式に転換した現在(価格曲線が出力抑制コストやリスクも反映するという考えのもと)、このような計算式は利用されていない。