「リチウムイオン二次電池」と「炭化水素」や「水素」とのエネルギー密度の比較

リチウムイオン二次電池のエネルギーの話が続く。
この11.16 [Wh] (=40.2[kJ])のエネルギーを持つパナソニックの18650シリンダータイプの電池の重量は44.5gである。
すなわち、gあたりのエネルギー密度をワット時[Wh]とジュール[J]で求めると、
 11.16 [Wh] ÷ 44.5[g] = 0.251 [Wh/g] = 251 [Wh/kg]
 40.2 [kJ] ÷ 44.5[g] = 0.903 [kJ/g] = 903 [J/g] = 903 [kJ/kg]= 0.903 [MJ/kg]
となる。
なお、このシリンダーの容積は
 9mm x 9mm x 3.14 x 65mm = 16,532 mm3 = 0.0165 [L]
なので、容積[L]あたりのエネルギー密度[kW/LとMJ/L]は
 11.16 [Wh] ÷ 0.0165[L] = 676 [Wh/L]
 40.2 [kJ] ÷ 0.0165[L] = 2,436 [kJ/L] = 2.4 [MJ/L]
となる。
なお、この電池の比重を求めてみると
 44.5g÷0.0165L = 2.7 kg/L
となり、1リットルあたり、2.7kgの重量である。
これが、他のエネルギー源と比べて大きいか否か。
ということで、炭化水素と水素のエネルギー密度のグラフにむりやりリチウムイオン電池を追加しました。(単位がMJになっているので注意)

これは、燃焼材料となる色々な素材の重量(kg)あたり、および容積(L)あたりの燃焼エネルギーをジュール(MJ)で比較したもの。重量あたりで言うと水素が圧倒的に大きくて120[MJ/g](=120,000 [kJ/g])である。
(以下、単位がkJとMJと混在しているので注意。)
ガソリンが、120[MJ/g](=45,000 [kJ/g])。
リチウムイオン二次電池のエネルギー密度(903 [kJ/kg])がいかに大きいと言っても、これらには敵わない。
水素をエネルギー貯蔵に使おうと言う動きが加速しているが、それは水素のこのエネルギー密度の大きさによる。
といっても、体積あたりでは小さくなるので、圧力をかけて700気圧(70MPa)とかに圧縮する必要があり、その為にエネルギーが必要になるが。