今日の新聞に中国電力事情として興味深い数字が載っていたので、自分のメモ代わりに基本的な数字を下記に記す。オリジナルの記事は「第一財経日報」で、「不透明な徴収金加算」というタイトルだが、そこに記載されているベーシックな数字が興味深い。
(1)中国での全発電量の内訳
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- 50%:政府直経の5大発電グループ
- 20%:7社の中央企業+15社の地方大手発電企業
- 30%:その他の企業
(2)中国電力業界の構図
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- 電力資源が豊富な西部から、資源が少なく消費量が多い東部に向けて大量の電力を輸送
- 距離が非常に長いため、電力輸送経費が大きい
(3)販売価格=発電価格+『送電価格+配電価格』
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- 送電価格と配電価格が一緒になっており、不透明であり、透明化する様に圧力がかかっている
(4)2010年の電力の値段(中国国家電力監査委員会)(1元=12.5円として計算)
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- 平均生産価格(1) : 385元(4,819円)/1,000キロワット時
- 平均送電配電価格(2) : 187元(2338円)/1,000キロワット時
- 平均販売価格(1)+(2) : 571元(7,138円)/1,000キロワット時
(5)利用顧客によって、販売価格が違う
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- 商業用 : 812元(10,150円)/1,000キロワット時
- 大規模工業用 : 617元(7,713円)/1,000キロワット時
- 家庭用 : 475元(5,938円)/1,000キロワット時
- 貧困地域水利事業用: 194元(2,425円)/1,000キロワット時
- 平均販売価格 : 571元(7,138円)/1,000キロワット時
- なお、日本の家庭向け電気代は22,000円/1,000キロワット時程度。
- 米国の筆者の住んでいるあたりは110ドル(8,800円)/1,000キロワット時。
(6)上記に政府系基金に対する「徴収金」が加算される
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- 徴収金の目的
- 国家重大水利事業建設
- ダム建設に伴う移住補助
- 農村電力網の建設
- 徴収金額の電力代に占める割合 :
- 省や電力事情によって異なるが、例えば山東省では7%程度
- 使途とかが不透明であり、昨年だけで210億元(2,625億円)(560件)が違法徴集とされ、ここも開示圧力がかかっている
- 徴収金の目的
(7)全国電力使用量
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- 4.7兆キロワット時(4,700,000,000,000 kWh)
- なお、日本の1年間の電力使用量は約1兆kWhで中国の1/4
- 4.7兆キロワット時(4,700,000,000,000 kWh)