もちろん、屋根の上にある太陽光パネルからの直流電力でLED電球を灯すのは簡単ではないが、方向的には是非そうあって欲しいと思う。
ということで、太陽光発電についておさらい。
太陽光パネルは、太陽光があたることにより「光起電力効果」により発電することができるが、電圧(V)と電流(I)の積(=電力)が最大になる様に調整しなければいけない。このために、最大電力点追従装置(Maximum Power Point Tracker, MPPT)と言うものを用いて、太陽光パネル側からみた負荷が日射量や負荷にかかわらず常に最適になるようにリアルタイムで調整する。
右の図(wikipediaより借用)が典型的な太陽光パネルのI-Vカーブ。黄色の面積が発電量(V x I)になる。この面積が最大になる様な電圧と電流のポイントを電子回路が探す。
10月にSolar International Conferenceに行った時の記事に、Micro Inverterを取り上げたが、太陽光発電用のインバーターには次の3つの種類がある。
(1)普通のインバーター
- パネルでは何もせず、各パネルが発電した電力を生のDCのまま集めて来る
- 最後に纏めてインバーター(家庭用の場合瞬間湯沸かし器サイズ)の中でMPPTと交流(DC→AC)変換を行う
- パネル間で発電量のばらつきがあっても全体で一つの負荷としか見なせない
- 落ち葉が一杯載っているパネルや、劣化して来たパネルがあると大幅に全体の発電効率がおちることがある
- 故障率が高いインバーターを一つに出来る(もしインバーターが壊れたら1つだけ修理または取り替えれば良い。)
(2)マイクロインバーター
- 各パネル毎にマイクロインバーター(お弁当箱サイズ)を持ち、その中でMPPTと交流(DC→AC)変換を行う
- 各パネル毎に最適負荷を計算出来る
- 各パネルが発電した電力ACで集めて来る
- もしどれかのマイクロインバーターが壊れたら、屋根の上に上がってパネルを1まいづつひっくり返して交換しなければいけない
(3)各パネルでMPPTを行う
- 各パネル毎にMPPT回路(お弁当箱サイズ)を持ち、その中でMPPTを行う
- 各パネル毎に最適負荷を計算出来る
- 各パネルが発電した電力をDCで集め、最後に纏めて交流(DC→AC)変換を行う
- コストがかかり、かつ故障率が高いインバーターを一つに出来る(もしインバーターが壊れたら1つだけ修理または取り替えれば良い。)
グリッド(電力網)に口をつっこめる様に周波数の同期や電圧を調整するのもインバーターの大事な仕事です。
まだ、どの方式が一般的になるか分からないが、直流のまま家庭内でも利用することを考えると、(3)が(個人的には)望ましいと思うが.....