米国のエネルギー関連のセミナー

下記の内容で技術情報センター主催のセミナーでしゃべります。

  • 米国に於ける最新の定置型エネルギー貯蔵ビジネス
    • 技術開発動向と日本への示唆
  • 日時 : 2016年6月24(金) 13:00~17:00
  • 会場 : 東京・新お茶の水・連合会館 

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【講演主旨】
米国にとって「エネルギー政策」は「国家安全保障上の問題」であり、また「雇用創出」でもある。 オバマ政権は「グリーン・ニューディール政策」を掲げ、研究開発や事業化の支援を強化しており、政府の後押しを受けて、シリコンバレーだけでは無く、東海岸他でも多数のベンチャー企業が登場し、新しい技術やビジネスモデルの提案が行われている。
これらの追い風を受けて、米国における再生可能エネルギーはここ数年で大きく伸びた。
また、昨年連邦議会で決まったITC(Investment Tax Credit)の5年間の延長は、太陽光発電をビジネスとする者にとって大きな追い風になる。
しかし、電気料金の上昇、電力網(特にPV率の高いFeeder線)の不安定化、NEM(Net Energy Metering)のもたらす不平等感、ダックカーブ、Over Generation等、弊害も指摘されだした。
こういう状況の中で、カリフォルニア州は、2030年までに再生可能エネルギー発電比率を50%に、ハワイ州2045年までに100%にするというきわめて挑戦的な目標を昨年州法化した。また、今まで手付かずだった家庭向けの電力料金体系の変更も各州で議論され、一部の州では先行してかなり過激な変更案を州議会が通過させた。
これらの再生可能エネルギー発電比率の急激な上昇に伴う電力網の不安定化を補うための施策として、(1)スマートインバーターの必須化(Rule21/Rule17H)(2)大型のエネルギー貯蔵装置の導入(3)変電所の自動化(IEC61850)(4)家庭用バッテリーとハイブリッドインバーターの推奨(5)家庭向けTOU(Time Of Use)の導入(6)家庭向けデマンドチャージの導入(7)プラグイン車を用いた双方向の電力融通の試行(8)高精度センサーや次世代AMIの導入(9)ハワイにおけるIPRの試行(10)家庭や商業施設のエネルギーをシェアするアグリゲーションやマイクログリッド(11)DOE/SunShotが推進するSEAMSアーキテクチャー(12)DERと系統運用者間の通信プロトコルの標準化(IEEE2030.5)等がここ数年矢継ぎ早に打ち出されている。
残念ながら日本メーカーは周回遅れの様相を呈しており、これらの施策の意義やビジネスインパクトはおろか、そもそも米国のエネルギー事情がどういう方向に進もうとしているかさえ把握できていない。
このセミナーでは、上記の再生可能エネルギー増加に伴う問題の解決策としてここ数年大きな注目を集めている「定置型エネルギー貯蔵(定置型バッテリー)」に焦点を当てる。
 (A)エネルギー貯蔵システムのコストトレンドはどうなっているのか(B)カリフォルニア州が電力会社に義務化した1.3GW相当の蓄電施設設置はこれらの課題に答えられるのか(C)定置型蓄電ビジネスは本当に利益が出るのか(D)定置型蓄電を用いたアンシラリーサービスマーケットはどれぐらいの利益が見込めるのか(E)そもそもアンシラリーサービスマーケットは各地域(州)でどのような体系になっているのか(F)米国ではどのような蓄電関連のベンチャー企業が出て来ているのか(G)需要家側に置かれた定置型蓄電の経済性は?(H)太陽光発電と組み合わせた場合の経済性は?(I)日本の会社はこの波に乗るためには何をすればいいのか、等を細かく解説する。