蓄電の話の続きです。
今の時点で、グリッドに繋がる1メガワット以上の蓄電装置を量産出来ているのは日本ガイシ社のNAS蓄電池だけである。
ウエブサイトによると「国内外合わせて約170カ所、30万kW(=300MW)の稼働実績」とある。
その日本ガイシのNAS蓄電池の2011年9月16日の火災事故の記事をしばらく前に書いた。
その後の状況であるが、2012年6月7日付けで同社のウエブサイトに詳しい説明が出ている。
その詳しい内容はこのウエブサイトを見て頂くとして。
- 直接の原因は「NAS電池システムを構成するモジュール電池40台のうち1台(単電池384本収納)に製造不良の単電池が1本あり、その単電池が破壊して高温の溶融物が流出」し、「溶融物がモジュール電池内のブロック間にある砂層を越えて流出し、隣接するブロックにある単電池との間で短絡(ショート)が発生した」事。
- で、大きな火災になったのは「短絡した単電池間にヒューズが設置されていなかったため、短絡電流が継続的に流れて発熱したことで多数の単電池が破壊して火災が発生し、当該モジュール電池全体に延焼拡大した」事が原因らしい。
筆者は専門家ではないので論評出来ないが、この説明にある「安全強化対策」をやはり、最初からやっておいて欲しかったと痛切に思う。
あと、NAS電池は常時300度の高温を維持しなければいけないが、これも怖い点ではある。
右の写真は、日本ガイシ社のウエブサイトから借用した定格出力2 MW、定格容量12,000 kWhのNAS蓄電池。