バンドギャップについて復習。WikiPediaよりほぼコピペ。ところどころ読みやすい様に改変。筆者のメモなので無視してください。
バンドギャップ(Band gap、禁止帯、禁制帯)とは、 広義の意味は、結晶のバンド構造において電子が存在できない領域全般を指す。
ただし半導体、絶縁体の分野においては、バンド構造における電子に占有された最も高いエネルギーバンド(価電子帯)の頂上から、最も低い空のバンド(伝導帯)の底までの間のエネルギー準位(およびそのエネルギーの差)を指す。
E-k空間上において電子はこの状態を取ることができない。
下図は、半導体のバンド構造の模式図。
Eは電子の持つエネルギー、kは波数(=波長の逆数)、Egがバンドギャップ。
半導体(や絶縁体)では「絶対零度で電子が入っている一番上のエネルギーバンド」が電子で満たされており(価電子帯)、その上に禁制帯を隔てて空帯がある(伝導帯)。
電子がバンドギャップを越えて価電子帯と伝導帯の間を遷移するには、バンドギャップ幅以上の大きさのエネルギー(光や熱)を吸収または放出する必要がある。
半導体素子においてはこのようなバンドギャップ周辺での電子の遷移を制御することによって、様々な機能を実現している。
バンドギャップはE-k空間上におけるバンド間の隙間であるため、バンドギャップを越えて遷移するには、エネルギー(E)だけでなく、波数(k)も合わせる必要がある。
波数が変化しない遷移(直接遷移)ならば光だけで遷移可能である。波数が異なる遷移(間接遷移)の場合、格子振動との相互作用を介する遷移となる。
バンドギャップが大きい物質は光子によって電子が励起されにくくそのまま光子が通過するため、可視光波長域のエネルギー以上に大きなバンドギャップを持つ物質は透明になる。
バンドギャップの大きさ(禁制帯幅)を表す単位としては通常、電子ボルト(eV)が用いられる。例えばシリコンのバンドギャップは約1.2eV、ヒ化ガリウム(GaAs)では約1.4eV、ワイドギャップ半導体の窒化ガリウム(GaN)では約3.4eVである。物質内部で伝導に寄与する全電子のポテンシャルエネルギーが1eV変化することは、物質全体の電位が1V変化することに相当する。
バンドギャップの大きさは、PN接合などを動作させる時に必要な印加電圧に大きく影響する。たとえばシリコンのダイオードは通常0.6〜0.7V程度で動作するが、窒化ガリウム(GaN)の青色発光ダイオードを動作させるには、3Vを越える電圧を供給する必要がある。
電子ボルト(eV)は、エネルギーの単位であり、素粒子の質量の単位としても使われる。
1 V の電位差がある自由空間内で電子 1 つが得るエネルギーを 1 eV とする。
1 eVは 1.602 176 565(35)×10^−19 J(括弧内は拡張不確かさ)である。
質量に換算すると 1.782 661 845(39)×10^−36 kgとなる。
1 eVの平均運動エネルギーをもつ気体の温度は11,604 Kとなる。
金属では、バンド中にフェルミ準位があるため、価電子を含むバンドに空き準位がある。このため、金属では価電子がそのまま伝導電子(自由電子)となる。
これに対し、半導体や絶縁体においてはバンドギャップ中にフェルミ準位が存在するため、価電子にバンドギャップを超えるエネルギーを与えて価電子帯から伝導帯へ励起することで、初めて伝導電子を得られる。
フェルミ準位とはフェルミ・ディラック分布のパラメータあるいはフェルミ粒子系の化学ポテンシャル μ のことである。
フェルミエネルギーとは、量子力学において、絶対零度でのフェルミ粒子系の状態においてフェルミ粒子によって占められた準位のうちで最高の準位のエネルギーである。
すなわち、絶対零度ではフェルミ準位の値がフェルミエネルギーに等しい。
結晶中の電子のエネルギーはバンド構造を形成する。フェルミエネルギーは、金属の場合には電子をバンドの底から詰めていき、その数が系の全電子数になったところの電子のエネルギーであるが、半導体、絶縁体の場合にはフェルミ準位が伝導帯と価電子帯の間の禁止帯の中にある。
フェルミ粒子は、スピン角運動量の大きさがh(横棒が入らない...)の半整数 (1/2, 3/2, 5/2, …) 倍の量子力学的粒子であり、その代表は電子である。
場の量子論から、半整数スピンを持つ粒子は2つの同種粒子を入れ替えたとき波動関数の符号が変化しなければならないという性質がある。つまり同種の複数のフェルミ粒子からなる系の全波動関数は、どの2個の粒子の交換に対しても反対称となる。
フェルミ粒子は、1つの体系内で2個の粒子がある同じ量子状態になることが許されない。すなわち、フェルミ粒子はパウリの排他原理に従う。この規則から導かれる熱平衡状態にある同種のフェルミ粒子からなる体系が従う量子統計をフェルミ=ディラック統計という。
フェルミ粒子に属する粒子には、クォークやレプトンである「電子」「ミュー粒子」「ニュートリノ」がある。
また、3つのクォークからなる複合粒子であるバリオンに属する「陽子」や「中性子」もフェルミ粒子である。