AMONIX社と Soitec社のCPV

CPV(Concentrated PV)装置で頑張ってきたAMONIX社は、コロラド州のAlamosaに建設された30MWのCPV発電施設に採用され2012年5月に稼働を開始したが、その後業績が悪化し、2012年11月に閉店してしまった。
このビジネスの難しさを実感する。
下の写真はその発電所の写真であるが、発電事業そのものはCogentix of Alamosa社が継続して行っている。
1基で60kV発電可能。500基設置し合計で30MWとなる。

CPV装置のもう一つの会社、Soitec社はその母体が大きい事もあり、頑張っている。
筆者は元々半導体の技術者であったので、Soitecというフランスの会社は、SOI(Silicon On Unsulator)のウエハーの会社というイメージが強かった。
SOIウエハの市場では Smart Cutという技術を持ち、この Smart CutはSOIウエハーの市場のほぼ90%を独占。そのうち80%は自社で製造供給し、残りの20%はこの Smart Cutをライセンスした信越半導体が製造供給している。まあ、SOIのマーケットそのものがあまり大きく無いが.....
なお、筆者は1999年から2000年にかけて、IBMのSOIプロセス(90nm)を使うCPU開発プロジェクトに関わった事があるが、滅茶苦茶大変だった。
さて、本題に戻ってSoitecのCPVであるが、

  • DOEから$25Mの資金を得て、San Diegoに工場を建設中
  • 2011年にVCより$212Mの資金を調達
  • 150MWのCPV発電施設を南カリフォルニアに建設予定(2015完成予定)
  • 発電した電力はSan Diego Gas & Electricに販売
  • 発電素子は4層構造で発電効率は319 sunsで43.6%
  • LCOEは$0.08/kWh(お〜〜凄い!)

下の写真がSoitec社のCPV用の量産中のセルでこちらは3層構造。

研究開発中のセルは、下図の様に4つの光の波長(周波数)に対応する素子構造を持つ。(因に可視光は400nm~700nm)

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