テキサス州での送電網整備と風力発電設備の設置

下図は、米国の州毎の風力発電設置量である。図の通り、テキサス州は全米で第1位の風力発電州であり、2012末で12GWの設置量(発電量ではない)を持つ。

なお、下図は北米の風況の地図であり、中部のグレートプレーンズ (Great Plains)が格段に風況が良いが、テキサス州で一番良く風が吹く(クラス3)地域は、北西部の出っ張った所である(赤の四角でかこった所)。
テキサス州としては、この北西部にもっと風力発電施設を作りたい。

テキサス州の「人口産業密集地域」は、中部・南部のAustin, Dallas, Fort Wroth, Houston, San Antonio地域である。
この「風況の良い地域」と「人口産業密集地域」の間の送電網は、これまであまり整備されていなかったらしい。
このため、風況の良い北西部に風力発電施設を作っても、この地域から中部・南部へ送電できないと言うジレンマに陥っていた。
今回、Public Utility Commission of Texasの主導で、テキサス州の北西エリアから、中部・南部の送電網へ繋がるらしい。
下図がテキサス州で建設中の送電線網である。
なお、この送電線網のオペレーションはElectric Reliability Council of Texasが行う。(米国は、発電と送配電の事業者が分かれている。)


上図の「Panhandle」というのが、風力発電所の建設予定場所である。面積が18,000エーカー(=73km2=8.6km四方)。
G.E.製の1.85MWの風車を 118基設置。218MWの総設置量。60,000世帯分の電力を賄う(風が吹けばだけど)。
来年2014年8月に設置が終了し、送電を開始するとのこと。
ここに風力発電施設を建設運営するのは「The Pattern Energy Group LP」という会社。
この会社はこれまでに3,000MWの風力発電施設を建設運営してきた実績があるらしい(知らなかった....)。
元ネタはこちら
因に、

  • テキサス州の面積は696,241 km²で、全米2位(日本の面積は377,914km2)
  • 人口は約2,500万人(2010年)でやはり、全米2位

そう言う感覚で、上記のテキサス州の地図を見てください。テキサス州だけで日本の1.8倍の面積があるのです。