CERN(欧州原子核研究機構)

ピーター・ウェア・ヒッグスが素粒子に重さを与える仮定としての理論を提唱したのが、1964年。筆者が素粒子論を勉強したのは1978年なので、ヒッグスの提唱からは14年経っている。
1978年の時点で、CERN(欧州原子核研究機構)による初代の加速器LEP(Large Electron-Positron Collider) の建設は始まっていた。教授がその意義を熱っぽく語っていたのを覚えている。
以下、WikiPediaに大幅に寄りかかって、筆者なりの四方山話を。

  • CERN という名称は、本機構の開設準備のために設けられた組織のフランス語名称であるConseil Européen pour la Recherche Nucléaireに由来する。
  • 7月4日の発表に貢献した「大型ハドロン衝突型加速器(LHC:Large Hadron Collider)」 は、2008年9月10日に稼動開始した。
  • LHCは、陽子ビームを7TeVまで加速し、正面衝突させることによって、これまでにない高エネルギーでの素粒子反応を起こすことができる。最大重心系衝突エネルギーは、14TeV付近。
  • LHCは、2000年に実験を終了したLEPの地下トンネル(全周約27 km)に、陽子-陽子衝突のための加速器を新たに設置して建設。
    • LEP実験で用いられた、加速器(加速空洞)などは、全て超伝導型に置き換えられた。
    • これは、電子に比べて陽子の質量が1836倍のため、強力な磁場を要することによる。
  • 陽子ビームの衝突点には、地下100メートルの地点に6階建てのビルに相当する観測点4箇所に観測装置5台を設置し、高エネルギー物理現象から生じる粒子を観測する。
  • 旧式のLEPでは、標準模型の検証実験が行われてきたが、LHCではより精度の高い標準モデルの検証を行う。「大統一理論」および「超対称性理論」を実験的に検証することが長期的な目的である。
  • 既存の設備をより高輝度、高いエネルギー領域で実験ができるように、加速器(加速空洞)及び粒子誘導コイルは、ニオブ系の合金を用いた超伝導型になっている。
  • LHC は陽子と陽子を衝突させる実験であり、陽子反陽子型ではない。
    • 反陽子を生成するためには、陽子シンクロトロンや陽子サイクロトロンで加速した陽子を、タングステンなどの金属に衝突させて生じる、反陽子を集めてそれを実験に用いる必要がある。
    • 実際に、CERNでもSPS実験(LHCのブースター加速器として活用)や国立フェルミ研究所のテバトロン実験などでも実施しているが、高輝度・連続衝突を要する実験には向かないため、陽子-陽子型実験とした。
    • 将来は、陽子-反陽子型の実験も行われる可能性もあるが、未定。
  • 加速手順
    • 陽子イオン源からスタートし、陽子イオンを加速する線形加速器、そして陽子シンクロトロンへ陽子ビームを注入するための蓄積源としての陽子シンクロトロンブースター、陽子シンクロトロンブースターで加速された陽子ビームを、更に加速するためのSuper Proton Syncrotron (SPS) 。----SPSで蓄積され、バンチと呼ばれる状態になった陽子ビームをLHC本体へ注入し、最終加速を行う。
    • 衝突点での陽子衝突のイベントは、1秒間に800万回に達する。
    • 超伝導加速空洞により陽子ビームを 7TeV(1012電子ボルト)まで加速し、8テスラ強の超伝導電磁石でその軌道を曲げて円形の周回軌道に乗せる。
  • 実験の目的
    • 高エネルギーの陽子・陽子衝突実験によって、標準理論を検証し、それを超える新しい物理を研究する (ATLAS, CMS)
    • 標準理論の中で唯一未発見であり、素粒子に質量をもたらすとされているヒッグス粒子の発見とその性質の測定。
    • 標準理論を超える、大統一理論の有力候補である超対称性理論で予言される超対称性粒子の発見。
    • 余剰次元理論に基づく計算により、LHCの衝突エネルギーで生成可能とされる極小ブラックホールの検出と、それによる余剰次元理論の検証(LHCの実験エネルギーでは困難と見られているが、実験の候補には上がっている)。
    • 高エネルギーの陽子・陽子衝突実験によって、B粒子の性質を測定することにより、物質と反物質の非対称性を研究する。
    • 高エネルギーの重粒子加速衝突実験によって、クォークグルーオン・プラズマを生成し、その性質を測定する。