エントロピー(状態の数)

さて、エントロピーの元になる考え方の「系が定められたエネルギー・体積の下でとりうる状態の数」というのは非常に理解が難しいが、一つの例はコインの裏表である。
コインが一つなら取りうる可能性は「表」か「裏」の2つしか無い。
 1枚が表   :1種類
 1枚が裏   :1種類
となる。
コインが2つなら、「表表」か「表裏」か「裏表」か「裏裏」の4種類が考えられ、
 2枚全部が表   :1種類
 1枚が表で1枚が裏:2種類
 2枚全部が裏   :1種類
となる。
コインが3つなら「表表表」「表裏裏」「裏表裏」「裏裏表」「表表裏」「表裏表」「裏表表」「裏裏裏」と8種類でありこの8種類を分類してみると、
 3枚全部が表   :1種類
 1枚が表で2枚が裏:3種類
 2枚が表で1枚が裏:3種類
 3枚全部が裏   :1種類
となる。
8つの組み合わせのうち、「全部が表」とか「全部が裏」とかの1種類だけのあまり起きない組み合わせより、3種類の「どちらかが2でその反対が1」が起こる可能性の方が大きい。この、「何種類あるか」が「重複度」であり、重複度が大きいほど、組み合わせとしての起こり易さは増える。「全部が表とか裏」とかの「整然」とした結果は起こりにくく、反対に「裏の数と表の数が同じ」方が起こり易い。
すなわち、重複度とは「起こり易さ」であり、「起こり易い」方がより安定であり、「整然とせずにバラバラ」なので「乱雑さ」が大きいとも考えられる。
(続きます)