講演告知:『米国で急速に進む水素利用』
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◆ 主催:スマート社会技術融合研究機構(ACROSS)
◆ 会合:第5回将来のエネルギーシステム研究会
◆ 日時:2021年12月16日10:00~12:00
◆ 開催:オンライン開催(zoom利用)
◆ 講師:クリーンエナジー研究所 阪口幸雄 氏
◆ 参加:ACROSS会員企業の方は事前登録で無料で参加可能
◆ 講演トピックス
1.米国における水素の立ち位置
2.米国における水素インフラ
2.1 水素「製造」技術
2.2 水素「輸送・貯蔵」技術
2.3 水素の「価格」
3.水素「利用」技術の動向
3.1 運輸部門
3.2 鉱工業部門、他
◆ 講演概要
米国では、バイデン政権の目玉政策であるクリーンエネルギーへの大幅転換に伴い、2035年までの発電セクターにおける脱炭素化と、2050年のパリ協定遵守に向かってあらゆるセクターでの脱炭素化(化石燃料使用の停止)への方向転換が始まっている。
米連邦議会は紆余曲折の上で「1兆2000億ドルのインフラ法案」を可決し、大統領が11月15日にサインした。
米国の発電セクター(GHG排出の27%)の再エネでは、今後膨大な量のエネルギー貯 蔵と、需給調整メカニズムが必要になってくるが、バッテリーで全部を賄うのは非現実的であり、特に長時間のエネルギー貯蔵での水素への期待が大きい。また、発電セクター以上に脱炭素化が難しいのは、乗用車以外の運輸セクターと鉱工業セクターである。
これらの解決を目指して、米国では、水素製造、水素運輸・貯蔵インフラ、 FC(Fuel Cell)スタック、水素直接発電等に関し、基礎研究・要素技術・実用化技術等が急速に進んでいる。
これらが、実証実験止まりになるか、米国の巨大なエネルギーエコシステムのある比率(20-30%?)を担えるかは、コストを含めた総合的な社会インフラ構築ができるかどうかにかかっている。
水素の活用に関しては、欧州や日本が先行しているように見えるし、確かに米国はその豊富な自然エネルギー資源もあり、今まで表舞台に出ることは少なかったが、来年(2022年)が節目の年であるように感じる。