アリゾナ州のフェニックスの近くで建設計画中の大型太陽光発電プラントの話題です。
最終的に700メガワットの電力を発電することになっているが、まずは150メガワット(それでも凄い)。電源開発会社はSempra Generationという中堅の会社。いわゆるIPP(Independent Power Producer)というカテゴリーで、Utility(電力会社)に売電することにより収入を得るビジネスモデル。今回は、PG&E(Pacific Gas & Electronic)と、20年間のPPA(Power Purchase Agreement)を既に結んでいる。
プロジェクト名はMesquite 1。
EPC(Engineering, Procurement and Construction)には、Zachry社を採用とのこと。
注目の太陽光パネルは中国のSuntech社への発注が決定したみたいです。
場所は、Hassayampaという500KVの送電線のスイッチヤードのすぐそばで、いつも問題になる送電線の問題はクリア。
フェーズ1の150メガワット(AC)は今年中に工事を開始して2013年には発電を開始する計画らしい。
この150メガワットというのは、Suntechのパネルでは80万枚に相当(1パネルで200ワット弱発電)。
Suntechはもともと中国の会社だが、ニューヨーク証券取引所にも上場しており、いまではすっかりアメリカの会社となっている。この80万枚のパネルも、中国から持ってくるのでは無く、この発電所からわずか30マイル(48Km)の所にあるSuntechの工場で製造して運び込まれるらしい。
2年で80万枚製造するとなると、仮に週末は休んで1年間に250日稼働したとして、
800,000枚÷(250日x2年)=1,600枚/日
ですね。毎日1,600枚のパネルがトラックに積まれてSuntechの製造工場からこの発電所に運ばれる計算。(う〜〜ん、何台トラックが要るのだ!?)
パネルを生産する為のシリコンとか、トップガラスとか、フレームとかも膨大な数が必要になる。
アメリカで再生可能エネルギ関連で補助金をもらおうとすると、アメリカ国内での製造を要求されるが、その効果が出て来ている。(でも、これだけの数のパネルを中国で生産して、船に積んで太平洋を横断して、更にトラックでカリフォルニアの港から高速道路でフェニックスまで運ぶとなると、ものすごいオイルの消費とCO2の排出ですよねぇ。)
Suntechのアナウンスはこちら。
使われるテクノロジーは、多結晶シリコンだそうです。
Suntechのパネルのデータシートはこちら。
データシートを見ると、パネル1枚あたりの発電能力は、STC (Standard Testing Condition)で280W、NOTC (Nominal Operation Cell Temperature)で200W位ですね。発電効率はSTCで14.3%とのこと。FirstSolarのCdTe薄膜よりはかなり良い。発電効率の良さもSuntechの採用の大きな理由になったらしい。
これ位沢山並べる事になると、1枚あたりの発電量が20%違うと並べる枚数も20%違ってくるので場所(面積)もかなり違って来るしメンテの効率も違ってくるのでしょう。
阪口幸雄