フローバッテリーの原理

前回取り上げたフローバッテリーについて補足。
Wikipediaの記述を参考に書く(と言うより、ほとんどコピペ)
フローバッテリーとは、レドックス(酸化還元)・フロー電池(redox flow cell, redox flow battery)とも言い、二次電池の一種です。redoxはreduction(還元)-oxidation(酸化) reaction の短縮表現。
イオンの酸化還元反応を溶液のポンプ循環によって進行させて、充電と放電を行う。サイクル寿命が1万回以上と長く、実用上10年以上利用可能。さらに構造が単純で大型化に適するため、1000kW級の電力用設備として実用化されている。

充電時の動作は、

  • プラス極に電流が流入(電子が流出)するので、4価のバナジウムは(電子を失い)5価に酸化される。
  • マイナス極では3価のバナジウムが(電子を得て)2価に還元される。
  • この時、バナジウムの対イオンである硫酸イオンから見ると、ブラス側では相手が過剰となり、マイナス側では不足する。
  • これを調整するため陽イオン交換膜を水素イオンが通過し、バランスを取る。

放電時には、充電時の逆の反応が進行する。
循環ポンプにより、タンク内から未反応のイオンが供給される限り反応は進むが、反応済みイオンの濃度が増すにつれ充電効率が低下する。このため、最大充電容量は、全イオン量よりある程度低い。
重量エネルギー密度が20Wh/kg程度と低く、リチウムイオン二次電池の1/5程度に過ぎない。このため小型化には向かない。
特徴は、

  • 燃焼性・爆発性の物質を使用・発生せず、先行して実用化されたNAS(ナトリウム・硫黄)電池より安全性で優れている。
  • 室温で作動するため熱源は特に必要としない。(NAS電池は、高温にする必要がある。)
  • 設備も、大部分が一般的な機器で構成できるうえ、繰り返し充放電で長寿命を期待できる。
  • レアメタルなどの希少資源の必要性も低い。
  • 電池容量を増すには、ほぼ溶液のタンクを増設するだけですむため、大型設備に適している。
  • 一方、水溶液を使用するため、水の電気分解が生じる電位が制限となり、エネルギー密度を上げることができない、大型化は容易だが小型化は困難、溶液温度が上昇すると支障があるため冷却装置が必要、などの制限もある。

とのこと。
もともと大型化が有利な方式だが、前回の記事の様に家庭向けの30K時ワットとかのフローバッテリーが安い値段で買える様になると、世の中が大きく変わるかもしれない。