世界で一番大きな海洋風力発電施設稼働開始

昨日の日本の新聞にも出たが、世界で一番大きな風力発電施設「Tarnet Wind Farm」がイギリスのケント州の沖合で9月23日に稼働を開始した。300Mワットの発電能力を有する。これでイギリスの風力発電量は一気に30%増える(元々風力発電量が少なかったからだが)。この風力発電施設はVattenfallというスウェーデンの会社によって運営され,100基のタービンがまず稼働開始。最終的には341基になり、20万世帯に電力を供給する。タービンの高さは400フィート、海岸から7マイル(11km)の所に建造。
オフショアサブステーションで、タービンの発電電圧33KVをグリッド向けの132KVに昇圧する。オフショアのサブステーションからオンショアのサブステーションに2本の海底電力ケーブルが引かれ、発電した電力をグリッドに。
「プロジェクトの総経費の900Mポンド(約1.4Bドル=約1,200億円)のうちイギリスの会社には20%未満しか行かなかった」と批判を受けているらしい。一番大きなコントラクト先はデンマーク風力発電機器メーカーのVestasに。「前労働党政権が、再生可能エネルギーに力を入れて来なかったため、イギリスの風力発電産業は完全に立ち後れた」と現Energy and Climate Change相のChris Huhneがコメント。実際問題、ヨーロッパの風力発電はここの所急拡大している。過去2年間の新規発電量の40%は風力発電から。スペインからスウェーデンまであまねく新規風力発電所が設置され、2020年までには総発電量の15%を風力からという目標が現実的になって来た模様。2050年には50%が風力からになるらしい。イギリスは今のところEUの27カ国のうち25位らしい。イギリスはこれから追いついて行かなければいけない。
ところで、建設許可は2006年12月に得たという事なので,建造に4年弱かかったことになる。当初は2008年に出来ているはずだったが、設置を予定していたVestas社のOff Shoreモデル(V90)のギアボックスに問題が見つかり、2007年になってこのモデルの販売を止め、2008年5月にV90-3という新しいモデルに切り替えたりして遅れた模様。