風力発電

DOEが、LBNL及びNRELが分析した風力発電の技術・市場動向の報告書を公表しました。


米エネルギー省は、国立研究所による風力発電の技術及び市場動向の分析結果をまとめた2つの報告書を公表をした。
ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)がまとめた報告書「2017年風力技術市場報告書( 2017 Wind Technologies Market Report)」の主な内容は以下の通り。

米国では、2017年の資本投入額が$11B、追加された新設備の容量が7,017MWであり、風力発電の累計容量は88,973MWとなった。風力発電の新設容量は太陽光発電天然ガス発電に次いで3番目に多く、新設容量全体の約25%を占めた。
風車の3大プレイヤーVestas社、GE社、Siemens-Gamesa Renewable Energy(SGRE)社の市場占有率はそれぞれ35%、29%、23%であった。
風車の平均の定格容量は2.32MWに増加(2016年より8%増加)と継続して大型化しており、ローターの直径は平均113mで(同4%増加)、高さは平均86m(同4%増加)となっている。
近年の風車の取引価格は2008年の$1,600/kWをピークに著しく下がってきており、現在の価格の幅は$750-950/kWである。
設置費用は2009〜2010年以降、約$800/kW下がり、現在の平均は$1,610/kWである。
電力購買契約(PPA)は地域差があるが、2017年の風力発電購買契約額の全米平均は約$20/MWhと2009年の$70/MWhより大幅に下がっている。

国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が発行した報告書「2017年洋上風力発電技術市場の近況報告書( 2017 Offshore Wind Technologies Market Update)」の主な内容は以下の通り。
米国には現在30MWの洋上風車が設置されており、25,464MWのプロジェクトが計画されている。2023年までに約2,000MWの設備の稼働が見込まれている。
現在建設が進む洋上風車の多くは、同技術を奨励する政策が多く進められている東海岸に位置している。ニュージャージー州は2030年の風車設置容量の目標を1,100MWから3,500MWに引き上げており、マサチューセッツ州のEnergy Diversity Actは、2027年までに1,600MW分を調達することを要求している。
開発業者はカリフォルニア州の洋上風車の設置に関する懸念事項について国防省と協議している。海軍は、洋上風車が海洋に面するレーダーアレイ及び海上訓練を行う地域に影響を及ぼすおそれがあると指摘している。