『小惑星リュウグウの起源と進化』

小惑星リュウグウの起源と進化』
岡山大学のこの発表、なかなか面白いです(阪口による抜粋です)。
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・ 試料は主に含水層状ケイ酸塩鉱物から構成され、空隙率は約50%である。
小惑星リュウグウの化学組成はCIコンドライトと類似している。またリュウグウ最表面からだけでなく、人工クレーター形成に伴って噴出した内部物質を採取出来ていたことが確認された。
・ 水素、炭素および窒素同位体異常を示す星間雲を起源とするミクロンサイズの有機物質が検出された。
・ 生命の起源に結びつくアミノ酸やその他の有機物が検出された。
・ 原始太陽系を構成した星間物質や太陽系前駆物質を含む始原的な特徴が保持されていた。
小惑星リュウグウの前駆天体は、太陽系外縁部において有機物およびケイ酸塩を含む氷に富むダストが集積した氷天体である(氷前駆天体)。
・氷前駆天体の大きさは数十キロメートルであり、太陽系形成後約260 万年までの期間に水質変質を被った。
・氷前駆天体は破砕され、大きさ数キロメートル程度の彗星核が形成された。その後 これは地球近傍軌道に移動した。彗星核から氷が昇華し、天体サイズの縮小および 固体―ガスジェットに伴う物質の再堆積によって、空隙の多い低密度物質が形成された。
有機物は試料に普遍的に存在し、これらは宇宙線および太陽風の照射による宇宙風 化を被り、小惑星表面のアルベド特性を決定している。