昨日書いたように、「炭化水素」は、炭素(C)と、水素(H)の結合したものだが、これにさらに酸素(O)が仲間入りすると「炭水化物」となる。
分子式は、CmH2nOn = Cm (H2O)n
炭素に水が結合した物質のように見えるため「炭水化物」と呼ばれる。かつては「含水炭素」とも呼ばれたらしい。
炭水化物は、単糖類であるブドウ糖(=グルコース=C6H12O6)や、多糖類であるデンプン(C6H10O5)、ショ糖(=スクロース=C12H22O11)等を多く含んでいる。
炭水化物は主に植物の光合成でつくられる。
光合成では、下図の様に「二酸化炭素(CO2)」と「水(H2O)」に、太陽のエネルギーが寄与して、「炭水化物(この場合はC6H12O6)」と「酸素(O2)」が生成される。
6 CO2+6H2O → C6H12O6 + 6O2
この「炭水化物」(や糖類)が、地下に長時間堆積され、圧力が加わり、温度が上がり、やがて酸素が脱落して「メタン(CH4)」等の「炭化水素」になり、「石油」や「天然ガス」として採掘されて火力発電所の原料となったり、家庭での調理に使われたりする。
以上は、主にWikiPediaを参考に。
以下は、JXのサイトより、これらの「炭水化物」が「炭化水素」になった経緯(歴史)を。
古生代(5.7億年〜2.5億年前)から中生代(2.5億年〜6,500万年前)に堆積された炭水化物(生物の死骸)が今使われている。(なお、地球の年齢は約46億年と言われている。)
石油鉱床とは、地下において採取し得る量の石油が集積している部分を指す。
世界の石油・ガス鉱床の99%以上が堆積盆地内に分布している。
石油鉱床成立のための基本的要件として、次のa、b、c等が挙げられるが、石油が移動してきた時期にトラップが存在していなければ、石油は散逸してしまうため、これらに加えてdも重要である。
a. 有機物に富んだ堆積物(根源岩)の存在と、地層の埋没に伴う地中での有機物の熱的熟成による石油の生成
b. 石油が移動・集積し得る貯留岩の存在
c. 移動・集積した石油の散逸を妨げる地質条件(トラップ)の存在
d. 石油の移動と集積構造形成のタイミング
石油鉱床は、地質時代的にはあらゆる時代にわたっているが、原油については
- 古生代(5.7億年〜2.5億年前): 14%
- 中生代(2.5億年〜6,500万年前) : 55%
- 新生代第三紀(6,500万年〜160万年前) : 31%
- 新生代第四紀(160万年前以降) : 極めて少ない
中生代が特に多いのは、中生代の堆積盆地は、石油の根源となる有機物を大量に堆積するのに非常に好環境であり、その後の地史的環境も石油の生成、保存に好適であったためであると考えられている。
全世界の確認埋蔵量の約6割を有している中東地域の大油田のほとんどは、中生代の地層から原油を産出している。
天然ガスについては、で、原油の場合に比べて古生代の地層にガス鉱床がよく発達している。
ガス鉱床には原油の分解生成によるもののほかに、石炭が根源と考えられるものも多く、この点、石炭鉱床が古生代(石炭紀、二畳紀)によく発達していることと重要な関係がある。