リチウムイオン電池の種類

リチウムイオン電池の調査をしていると、ひたすら略号が出てくる。
とても覚えきれないので、自分のためにまとめておく。(参考資料:WikiPediaこちら)

  1. NCA :
    • Lithium Nickel Cobalt Aluminum Oxide (LiNiCoAlO2)
    • ニッケル系(NCA系)
    • 理論電圧 : 3.60V nominal
      • 通常の動作電圧 3.0–4.2V/cell)
    • 重量あたりのエネルギー : 200-260Wh/kg;
      • 将来予想:300Wh/kg
    • 元々ニッケル酸リチウム(LiNiO2)はコバルト酸リチウム以上に高いエネルギー密度を持つことが知られていたが、安全性に課題があり実用化は難しかった。
    • NCA系では、ニッケルベースに構造安定化のためにコバルトを、耐熱性の改善のためにアルミニウムを添加し、また負極にもセラミック層をコーティングすることにより耐熱性を高め安全化している。
  2. LCO :
    • Lithium Cobalt Oxide (LiCoO2)
    • コバルト酸リチウム
    • 理論電圧 : 3.60V nominal;
      • 通常の動作電圧 3.0–4.2V/cell
    • 重量あたりのエネルギー : 150–200Wh/kg.
      • 将来予想:240Wh/kg.
    • 1991年に商品化され、主にモバイル機器用に広く普及している。
    • コバルトが高価で価格変動が大きいことが課題とされている。
    • 熱暴走リスクがあるため自動車用にはほとんど採用されていない。
  3. LFP :
    • Lithium Iron Phosphate Oxide(LiFePO4)
    • リン酸鉄リチウム
    • 理論電圧 : 3.20, 3.30V nominal;
      • 通常の動作電圧 2.5–3.65V/cell
    • 重量あたりのエネルギー : 90–120Wh/kg
    • 近年、アメリカや中国で採用が増えている。
    • 材料は安いが、製造コストがやや高い。
    • 結晶構造(オリビン構造:右図)が強固なため熱安定性が高い。(燐と酸素が強固に結合しているために異常時における酸素発生がない。)
    • 電気伝導性が低いことが課題とされていたが、活物質の微細化と表面の炭素コートの採用により改良されている。
    • この資料が勉強になる。
  4. LMO :
    • Lithium Manganese Oxide (LiMn2O4) 
    • マンガン酸リチウム
    • 理論電圧 : 3.70V (3.80V) nominal;
      • 通常の動作電圧 : 3.0–4.2V/cell
    • 重量あたりのエネルギー : : 100–150Wh/kg
    • 1996年に商品化され、近年は特に自動車用として広く普及している。
    • 結晶構造(スピネル構造:右図)が比較的強固なため熱安定性が高い。
    • 材料のマンガンはコバルトの1/10以下の価格である。
    • サイクル寿命と高温でのマンガンの溶出が課題だったが、近年は改良されている。
  5. NMC :
    • Lithium Nickel Manganese Cobalt Oxide (LiNiMnCoO2)
    • 三元系(NMC系)
    • 理論電圧 : 3.60V, 3.70V nominal;
    • 通常の動作電圧 : 3.0–4.2V/cell, or higher
    • 重量あたりのエネルギー : 150–220Wh/kg
    • 三元系は、ニッケル、マンガン、コバルトの三元素を使用するもので、2000年に日本とアメリカで開発された。
  6. LTO :
    • Lithium Titanate Oxide (Li4Ti5O12)
    • チタン酸リチウム
    • 理論電圧 : 2.40V nominal;
      • 通常の動作電圧: 1.8–2.85V/cell
    • 重量あたりのエネルギー : 70–80Wh/kg
    • 2008年に東芝により商品化された。
    • 東芝SCiBは、外力などで内部短絡が生じても熱暴走が起きにくい、充放電10000回以上の長寿命、6分間での急速充電、キャパシタ並みの入出力密度、寒冷地(-30℃)でも使用可能、などの特徴があるとしている。
    • 電圧が2.4Vと低い。