「エネルギー」と「仕事率」

先週、2つのまったく違う打合せで「BTU」と「ワット(W)」いう単位の話になった。
「BTU」は日本にいるとあまり馴染みが無いが、欧米ではよく使う。
このブログで書いた事があるが、「British Thermal Unit」の略で、日本では「英熱量」「英国熱量単位」とか言う。
定義は下記の通り(Wikipediaより)。

英熱量(BTU)は1ポンドの水の温度を華氏度で1度上げるのに必要な熱量と定義される。すなわち、カロリーの定義をヤード・ポンド法の単位に置き換えたものと言える。

「1055J(ジュール)」に相当する。カロリーに換算すると、「1 BTU = 252〜253 カロリー」。
さて、これはまあ「ヤードポンド法」と「メートル法」の違いであるが、打合せで自分でも混乱したのは、「エネルギー(仕事量)」と「仕事率」をすぐにごっちゃにしてしまう事である。
即ち、BTUは「エネルギー(仕事量)」の単位であるが、ワット(W)は「仕事率」の単位である。
「エネルギー(仕事量)」の単位は、

    • カロリー
    • ジュール
    • BTU
    • ワット時
    • ニュートンメートル
    • エルグ
    • キログラムカロリー
    • キログラムメートル

とかで、「仕事の量の多さ」を示す。
反対に「仕事率」の単位は、

    • ワット
    • 馬力
    • BTU/分
    • ジュール/秒

等で「単位時間内にどれだけのエネルギーが使われている(仕事が行われている)か」を表す。
「仕事率」である「ワット」を別の言い方で表すと「1秒あたりに変換・使用・消費されているエネルギー(ジュール)の率」である。
100ワットの機器とは1秒間に100ジュール消費する機器のことである。
ワットに時間の単位をかけてはじめてエネルギーの単位となる。
ある風力発電施設がある瞬間に発電する量が例えば1メガワットとして、この1メガワットとは仕事率である。この1メガワットの仕事率が1時間継続したとして、発電量(エネルギー)は「1メガワット時」となる。
(え、それがどうしたって? 物理屋のたんなる独り言です。)