PPA(Power Purchase Agreement)会社

先週参加した「Trina Solar」のセミナーでプレゼンしたSolar Power Financeという会社について。
のっけで「We are PPA Company」と言うので、筆者はおもわず「???」。
PPAはPower Purchase Agreementの略で、Utility(電力会社)と発電者の間で結ぶ「電力販売契約」の事。
通常はUtility Scaleの数十メガワットから数百メガワットクラスの大きな発電所の建設でよく出てくる言葉で、発電所が電力会社と既に有利な(長期間に渡る1kWhあたりの単価が高い)PPA契約を結んでいるかどうかによって、資金の集まり具合とかが大きく変わったりする。
実際には各家庭のルーフトップに設置する十キロワットクラスの太陽光発電パネルでも出て来る言葉だが「PPA Company」とはあまり聞かない。
FIT(Feed In Tariff)と言う言葉とペアで使われる。
この会社は、家庭向けのPPAに特化し、各家庭は太陽光パネルを設置する初期費用を持たなくても良い、この会社が間に入って設置し、面倒な手続きは全てこの会社が行い、各家庭はこの会社に使用量だけ払えば良い、という話。それでも、電力会社に払う電気料に比べてずっと安くなりますよ、という理屈。

上の図はこの関係を表している。この会社が電力を家庭に売り、家庭はkWhあたりの電気料をこの会社に払う。この会社は電力会社と契約を結び、国(や州)からの補助金とかをうまく廻して利益を得る。

で、各家庭の電気代の節約の見通しだが、上の図の様に今日時点では181ドルに比べて170ドルで済む、10年後には317ドルに電気代が上がるがそれが234ドルで済む、20年後は激しく電気代が上がって595ドルになるがこの会社経由で太陽光パネルを設置しておけば340ドルで済む、という事です。

上のスライドの様に、家庭に取ってはリスクが少なくて電気代が安くなり20年間の保証があって安心との事。
因に、このビジネスモデルは別にこの会社の専売特許では無く、SolarCityとかが大々的に行っており、アメリカでは既に一般的になりつつある。因にSolar Cityは自分たちの事を「Full Service Solar Provider」という。
下記はSolarCityのウエブサイトから。

Founded in 2006, SolarCity continues to grow, and now serves more than 10,000 customers in Arizona, California, Colorado, Maryland, Massachusetts, New Jersey, New York, Oregon, Pennsylvania, Texas and Washington D.C.

1万家庭というのが多いのか少ないのか筆者にはよく分からない。