カリフォルニア州のロスアンジェルス地域をカバーする大手の電力会社のSouthern California Edison (SCE)社が、再生可能エネルギーを用いた21件の発電計画と契約(Power Purchase Agreement)を結んだと言うニュースです。元ネタはこちら。
これらの計画を全部合わせると240メガワットになります。これは平均的な家庭17万世帯分の需要を賄える電力量だそうです。
何度か取り上げた500メガワットとかの大規模な太陽熱発電に比べると比較的小規模ですが、今回の21件のうち太陽光発電(PV)が20件です。
電力会社とPPAを結ぶというのは非常に大事な1歩ですが、まだPPAをむすんだだけで、これから資金を集めたり、地元の許可を取ったり、銀行からプロジェクトファイナンスを貰ったりとやる事は山の様にあり、はたして21件のうち実際に何件が発電まで漕ぎ着けるかは分かりません。
注目は、集光型太陽光発電(CPV : Concentrated Photo Voltaics)のAmonix社が入っている事。Amonix社は、28.5メガワットの契約を結びました。
集光型太陽光発電というのは、値段の高いシリコン型の太陽光発電セルを少しでも節約する為に、レンズで太陽の光を集めてエネルギーを高め、小さいセル(数センチ四方)を強いエネルギーで励起して発電効率を高めようと言うもの。アイディアは昔からあり、3年前のシリコンの値段が凄く高くなった時に色々なベンチャー企業が一気にスタートしましたが、技術的な難しさや、その後シリコンの値段が安くなった事等で、苦戦を強いられていました。
Amonix社は、今までに150Mドルの資金をVCから集め、DOEのSolar America Initiative (SAI)から15.6Mドルの補助金ももらっていますが、それでもお金は足りないらしい。
まだまだ越えなければいけない問題は山積みだと思いますが、まずはPPAが取れた事は喜ばしい。(右上の写真はAmonix社のシステムですが、太陽を追っかけなければいけないので、かならずTrackerの上に乗ることになります。レンズとかですごく重そう〜)