インバーターマーケットはすでにバブル崩壊寸前?

Solar Power Internationalでも感じたが、インバーターやマイクロインバーターの会社が山の様に出て来ている。
ベンチャーキャピタルにバックアップされている所だけで20社あるとのこと。「既にバブルで、そのうちバーストするのでは無いか?」というこの記事とかこの記事に寄っかかって書きます。

Twenty VC-funded distributed electronics startups is too many for the market to bear. Attrition warning ahead. Microinverter and Solar Electronics Bubble Soon to Burst

まず、DC-to-DCの最適化をはかる装置(やチップ)の開発メーカー

  • National Semiconductor
    • チップセットが、Gesolar、Huber+Suhner、オーナンバ、 Shoals Technologies Groupで使われている
    • Links with Suntech to Optimize Panels
  • SolarEdge
    • イスラエルの会社でDC DC最適化の中ではかなり進んでいる模様
    • ElectrolyticsのかわりにThin film capacitorsを使う
    • Lightspeed Ventures主導のベンチャファンディングで$25 millionをゲット
    • 右の写真はSolar Power Internationalで(ぼけていてすいません)
  • SunSil
    • SunSilの製品は、パネルの中にダイナミックマイクロセルコントローラーを持たせ、各パネルのセルの中でMaximum Power Point Tracking (MPPT)を行い、効率向上を図る
  • Tigo Energy
    • ヨーロッパのパネルメーカーのSchott Solarと組んでいる
    • TigoのDC-DCを使うと、パネルの効率が20%向上するとのこと
    • Schott Solarや他のヨーロッパのパネルメーカーは、中国勢の安値攻勢に差別化しなければいけないが、Tigoの採用はその一つで、intelligenceをパネルに追加する

マイクロインバーターでは、

  • Enphase
    • 唯一コマーシャルベースで出荷している(と言ってもまだベンチャー
    • Electrolytic Capacitorsを使用
    • 昨年の8月より既に50,000ユニットを出荷
  • Next Step
  • Petra Solar
    • New Jersey州の大手utility(電力会社)のPSE&Gと大きな契約を結び、現在出荷準備中
  • SolarBridge(旧名:SmartSpark)
    • ElectrolyticsのかわりにThin film capacitorsを使う
    • 25年の保証期間
  • Enecsys
    • SolarBridgeの様にElectrolyticsのかわりにThin film capacitorsを使う
    • 25年保証するとのこと
  • GreenRay
    • この会社のAC Moduleが最近UL certificationを取った
  • Azuray
    • 最近、Stealthモードから出て来た模様
    • Suntech PowerとSmart PV modulesで、RenheとJunction boxの中のMPPT optimizersでコラボ
    • NEAから$13 millionの資金を受けている(Portland, Oregon)
    • そのMaximum Power Point Tracking DC-to-DC変換で25%の効率向上をはかれるとか
    • Power-line communicationsとかSafety shut-offとかも内部に含んでいる
  • eIQとかKACO New Energy
    • システムレベルでアレイ配線可能
    • 100 kilowattsから300 kilowattsのシステム設計を容易にする
    • eIQ社の「Parallel Solar」はDC-DC変換機の中に、DCパワーマネージメントを使って、パネルを直列では無く、並列につなげることを可能にした
    • このアーキテクチャーにより、非常にたくさんの数のパネルを繋げる際に、全体のシステム設計がフレキシブルになり、分散化されたMPPTのお陰でライフタイムの発電量があがるらしい
  • Direct Grid
    • Island Technologyの子会社
    • Closed loop planar MOSFETを使用
    • 他のマイクロインバーターは170ワットとか190ワットしか扱えないが、Direct Gridの製品は200ワットとか300ワットとかそれ以上を扱える
    • 薄膜パネルメーカーのSignet Solar社の340ワット(!?)とかのパネルにのせられる
  • Accurate Solar

インバーター全体で数ビリオンドル(数千億円)とか言われるマーケットの中で、この「マイクロインバーター」とか「DC-DC最適化装置」とか(この記事ではこれを纏めて、Distributed electronicsと呼んでいる)は、その一部に過ぎないが、既に混雑しすぎているようです。上記のほとんどの会社が、ベンチャーキャピタルの資金を受けていますが、どう考えても全部がうまく行くはずが無い。過去の例からは、トップ1〜2社のみがうまく行ってあとはコモディティーの泡の中に消えて行く、とのこと。
良いニュースは、

  • 数年前までは、「各パネルにインバーターを付けるなんて気違い沙汰だ、リスクが高すぎるし、コストも上がる」とパネルメーカーや設置会社や発電施設からは言われていたそうですが、時代は変わる、今はどの会社もパネル毎にインバーターやDCDCを乗せることに積極的だそう。
  • 大手のEnphase社は、発電会社の「Main Street Power」の4.5メガワットプラントに採用され、銀行からファイナンスを受けられる様になったらしい。Bankableの仲間入り。めでたい。
  • また、大手のパネルメーカーのSunTechは、半ダースのdistributed electronicsと協業するとアナウンス