昨日の話の続きです。Bloom Energy社は、今回のAdobeに限らず今年2月の時点でGoogle、eBayとかの顧客を得ているが、これは州の補助金(state subsidies)による所が大きい。そのあたりを、色々な記事に寄っかかって書いてみます。(右の写真はAdobe社の屋上に搬入されるBloom Box。)
- Bloom boxは1基あたり100キロワット発電出来るが、$700,000〜$800,000するのでキロワットあたり$7,000〜$8,000(=1ワットあたり7〜8ドル)である。安く無い。
- Fuel Cell発電に対する州の補助金は、そのライフスパンの10年間にわたり、キロワットあたり$2,500である。
- 1基のBloom boxの発電量が100キロワットなので、この補助金は$2,500 x 100 = $250,000/基となる。
- 上記を考慮に入れると、1日24時間発電し続けると仮定すると、運転コストは$0.08〜$0.10/kWhになる。(すいません、ここの所のブレークダウンはありません!)
- これは、アメリカに於ける電気料金の平均$0.11/kWhよりも安いが、そんなに凄く安い訳では無い。Bloom Energy社は3〜5年で元が取れると言っているが、少し疑問。
- また、この$0.08〜$0.10/kWhという発電コストは、天然ガスの価格が$7/mmBTUであると想定している。天然ガスの値段が上がったらオペレーションコストは一気に高くなる。
- Adobe社は、オーガニック廃棄物から作ったバイオガス(メタン)を使うと言っているが、多分バイオガスは通常の天然ガスよりも高いはずなので少し計算が異なるはずである。
- もし、州の補助金がないとすると、発電コストは$0.13/kWh〜$0.14/kWhとなる。これはシステム導入コストの$0.09/kWhと$0.05/kWhの燃料コストの合計。
う〜〜ん、Bloom Energy社は、今後大幅なコストダウンをはかるそうだが、確かに大幅に安くならないと、どう考えても生き残れないと思う。太陽光発電も確かにパネルが高いが、一度インストールしてしまえば燃料は要らない(しかし発電量は太陽頼み)。
どの新技術が最終的に生き残るか分からないので、今の時点では切磋琢磨して原価を下げる様に頑張って欲しい。