講演の告知です。
『米国で急速に進むCCUS』
「CCUS (Carbon Dioxide Capture, Utilization and Storage)」
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◆ 主催:スマート社会技術融合研究機構(ACROSS)
◆ 会合:第6回将来のエネルギーシステム研究会
◆ 日時:
日本時間 2022年3月3日10:00~12:00
西海岸時間2022年3月1日17:00~19:00
◆ 開催:オンライン開催(zoom利用)
◆ 講師:クリーンエナジー研究所 阪口幸雄
◆ 参加:ACROSS会員企業の方は事前登録で無料で参加可能
◆ 講演トピックス
1.バイデン政権のクリーンエネルギー目標でのCCUSの位置付け
2.CCUSに関する技術の動向
3.米国の主なCCUSプロジェクト
4.CCUSを推進する企業
5.CCUSをめぐる論争
6.日本はこの流れの中で何をすべきか
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< 講演要旨 >
米国では、クリーンエネルギーへの大幅転換に伴い、2035年までの発電セクターにおける脱炭素化と、2050年のパリ協定遵守に向かってあらゆるセクターでの化石燃料使用の停止と電化への方向転換が始まっている。
同時に、再エネ、電化ではCO2を削減できない分野での「水素」及び「CCUS (Carbon Dioxide Capture, Utilization and Storage)」への取り組みも始まっている。
2021年現在、米国で稼働中のCCUS事業の大半はEOR(Enhanced Oil Recovery:原油増進回収)である。
米国のEORは、連邦政府の後押しで1970年代に実用化され、エコシステムも一部地域であるが、実用化されている。EOR目的のCO2輸送パイプラインも稼働中である。
EOR以外にも、火力発電所やセメント工場等での、純粋なCO2貯留への取り組みが始まろうとしている。
2020年11月時点で全世界でCO2を回収・貯留する設備は28カ所で操業しており、3カ所で建設中、事業化に向けて動いている計画が34あるという。そのうち北米は16件であり、北米で多くのプロジェクト先行している。
また全米に広く散在するCO2排出拠点と貯留拠点を結ぶ「ハブとクラスター」の構築に向けての取り組みも始まっている。
回収したCO2とグリーン水素を原料としたメタン・エタノール等の化成品の製造などが将来の技術として注目されており、米国でも研究が進んでいる。
米国はその豊富な自然エネルギー資源もあり、CCUSは今まで表舞台に出ることは少なかったが、今年(2022年)が節目の年であるように感じる。