ハワイ電力の現在の状況

先月参加したハワイの学会の話の続きです。
HECO(Hawaii Electric Company)社のAlan Oshima社長によるキーノートスピーチが行われた。

HECOの現時点の一番の目標は、
「より負担が少ないクリーンエネルギーへの変換をハワイにもたらすこと」
「今非常に高い電気代を下げること」
である。

下のスライドにHECOの傘下にある3つの電力会社における再生可能エネルギー比率を示す。
ワイ島(Big Island)が一番すすんでおり、47%の電力は再生可能エネルギーから得ている。
オアフ島は一番少ないが、それでも15%が再生可能エネルギーで発電されている。
これらを総合すると21%が再生可能エネルギーによる発電となっている。

下のスライドでは、ハワイの太陽光発電導入が他州よりも進んでいることが示されている。
現在設置されているルーフトップシステムは7万軒と全顧客の15%を占めている。
オアフ島の一軒家では、約30%を占める。
この「人口一人当たりのルーフトップ太陽光発電パネル導入実績」は米国平均の20倍にも及ぶ。

また、HECOでは、ガソリンを使う車から電気自動車への変換を進めている。
これにより、電気自動車なしの時点で毎月エネルギー代として228ドル(88ドルをガソリン代、140ドルを電気代)使っていたものを、電気自動車に変えることにより、32.5%減らして、毎月154ドルのエネルギー代にできると考えている。

筆者コメント:
ハワイのいろいろな特殊事情はあるものの、再生可能エネルギー発電移行への意気込みと、実現可能性は高いと思う。
問題は、
(1)一軒家ではなくて、集合住宅(アパート、マンション、コンド等)にどうやって再生可能エネルギーを入れるか
(2)配電網には、出力変動の激しい再生可能エネルギーはもう入らないが、どうやって対策するか
等である。