一昨日の記事で、カリフォルニア州には電力会社が75社あると書いたが、その中で数が一番多いのは「POU (Publicly Owned Utilities)」である。
POUとは、「公営(多くは市営)」の電力会社で、大規模な「私営」のIOU(Investor-Owned Utilities)に囲まれながら、小規模ながらも独立経営している。
Investor-Owned Utilities - 6 (私営電力会社)
Publicly Owned Utilities - 48 (公営電力会社)
Rural Electricity Cooperatives - 4
Native American Utilities - 3
Other Electricity Service Providers - 14
その代表格が、ロスアンジェルス市で運営されているLADWP:Los Angeles Department of Water and Powerと、サクラメント市で運営されているSMUD:Sacramento Municipal Utility Districtである。
特に、サクラメントのSMUDは、色々な面でカリフォルニア州の電力行政を引っ張っている。
先週のデマンドレスポンスの学会でも、幾つかのセッションでSMUDの人がスピーチして、印象的な事例を紹介した。
電気代とかも、他のIOUに比べるとかなり安い。下の表は、SMUDとカリフォルニア州の他の電力会社との比較である。
仮に、1ヶ月に750kWh使った場合の電気代を比較しているが、SMUDが92ドル程度であるのに比べ、PG&Eとかの私営の電力会社は142ドルとかかかる。
なお、「Utility」を「電力会社」と訳したが、アメリカの多くの電力会社はガスも扱っているので、正確には「公益事業[企業](体)」とか言うのかもしれない。