Fuel Cellのフォークリフトへの適用

Fuel Cell(FC : 日本では燃料電池というが、発電装置であって電池ではない)は、米国においてはフォークリフトマーケットに実用化され出している。
その理由を考えてみたが主な理由は下記であろうか。

  • 充電式の場合長い充電時間がかかるが、FCは約5分で充填可能(倉庫等は24時間稼働の所が多いが、充電式の場合フォークリフトを充電させている間は使えない)
  • 充電式の場合バッテリー容量が減ってくるとパワーが落ちるがFCの場合は燃料のある限りはパワーが落ちない
  • 充電場所を取らない
  • ガソリン駆動のフォークリフトは臭い排気ガスを出すが、FC駆動の場合は極めてクリーン

また政府による補助金(ARRA経由)の効果も大きい。

北米に於ける運輸向けFCシステム出荷台数は1,000台強であるが、そのほとんどはフォークリフト向けである。
FCフォークリフト大手のPlug Power社は、2012年に3,250台のFCスタック(FCのセルを複数組合せたもの)をBallard社から購入すると発表している。
なお、Ballard社はスタックの開発・製造大手である。
現在、米国では年間新規に9万台のフォークリフトが販売されており、その平均価格は$15,000とのこと。
欧州マーケットへのFCフォークリフトの適用はこれからであるが、欧州では現在200万台のフォークリフトが稼働しており、年間32万5000台の新規フォークリフトが販売されているとの事であり今後大きなマーケットになると思われる。
米国の運輸業大手のSYSCO社は、2011年だけで、315台のFCフォークリフトを導入した。
添付はSYSCO社の倉庫でのFCフォークリフト