1週間ぶりのアップです。見に来て下さった方、ごめんなさい。相変わらず「旅ガラス」中。
さて、熱から発電する話ですが、どう書いていいか考えあぐねていますが、纏まらないままに書いてみます。
原子力電池は、プルトニウムが原子崩壊する時に発する熱を「熱電変換素子(Thermoelectric conversion element)」を使って電気に変換。これはかなり特殊なアプリで、かつTellurideとかも使うので、普通には使えず。下の写真が実際に「カッシーニ」に使われたradioisotope thermoelectric generator (RTG, RITEG) です。
下の写真はガイガーカウンターで放射能漏れを調べている所。
「熱電変換素子(Thermoelectric conversion element)」は、2種類の異なる金属または半導体を接合して、両端に温度差を生じさせると起電力が生じるゼーベック効果を利用。大きな電位差を得るためにp型半導体、n型半導体を組み合わせて使用されます。
このための半導体の組合せや,特別な構造の素子(Super Lattice、ダイアモンド薄膜,他)の研究が色々行われていますが、まだ実用化にはかなりの時間(10年?)がかかりそう。
昨年,アメリカのDOE(Department of Energy)から$1Mの助成金を貰った会社に「Alphabet Energy社」というのがあります。この会社は工場やデータセンタで排出される廃熱を、1ワットあたり1ドルで電気として回収出来ると言っています。
米国では年間 100 quadrillion BTUs (quadrillionは10の15乗) のエネルギーを消費するがその55〜60%は熱として捨てていると言われます。
メカニカルエンジニアリングを使う方法としては、「Recycled Energy Development (RED)社」とか「Ormat社」とかがあり、大きな工場での廃熱とかならそれなりの電気を発生してくれるそうです。RED社は、West Virginia Alloys社のシリコン製造工場で45メガワット発電しているとか。(まだよく分かっていないので、もう少し勉強してから書きます。)
上記の「Alphabet Energy社」は、半導体を使うそうです。これまでの似た様なシステムでは、Bismuth Tellurideとかの高価な素材を使うので、1ワット発電出来る装置に20ドルかかっていたそうですが、この会社は1ワットを1ドルで出来ると言っている。詳しいことは説明されていませんが、これは、silicon nanowiresを使って実現するそうです。
この会社は2009年のCleantech Openのフィナリストの1社だそうです。まずは,工場の廃熱発電を目指して、その後が自動車から出る(捨てる)熱から発電する装置への適用を目指している模様。
その他に、「GMZ Energy社」「Promethean Power社」「Cypress Semiconductor社」「MC10社」「Photonic Devices社」等も、熱電変換用の素子の開発を継続中とのこと。
阪口幸雄