アメリカの風力発電

再び、アメリカの風力発電の話題です。
AWEA (American Wind Energy Association)の数字によると、米国の風力発電量は2009年は非常に伸びて、10,000メガワットの新規発電量となったようで、これは240万(2.4M)世帯分の新規電力だそうです。
しかし、AWEAの同じ資料によると2010年のQ1は一気に落ちて、539メガワットの伸びに終わったようで、これはQ1としては2007年以来の低い発電量の伸びのようです。(因に、先日のGlobal Data社のデータによると、2009年の伸びは約5,000メガワットです。また、Global Data社は2010年も同じ調子で伸び続けると予測していました。Global Data社の最新のデータは未入手です。)
最近の電力需要の低迷(景気が悪いと電力需要も減る)と、それに伴う買取値段の低迷で、新規風力発電所の建設と稼働が一気にスローダウンしたもよう。これに伴い、タービン製造メーカーも一気に冷え込んで、大きな在庫の発生、仕事量の激減、雇用調整が起こっているらしい。長期的な政策が不透明なため、補助金や買取値段の保証が無いと一気にスローダウンする。(オバマ大統領は一所懸命やっている様に見えるが、産業界は非常に敏感ですねぇ。)
そうは言っても、今現在アメリカには35.6ギガワットの風力発電施設があり(これはGlobal Dataとほぼ一致)、これは

  • 970万(9.7M)世帯分の電力に相当
  • 6,200万(62M)トンのCO2削減効果(これは1,050万(10.5M)台の車に相当)
  • 20Bガロン(76M 立法メートル)の水を節約(火力発電所で発電した場合に必要な水)
  • 85,000人の雇用に貢献(タービンメーカー、建設設置従業員、オペレーションとメンテナンス、輸送やロジスティックス等)

だそうです。
下記の図は、AWEAから拝借して来た州毎の稼働中の風力発電能力です。36州が「ギガワットクラブ」に入っており1,000メガワット以上の風力発電能力を持っています。

トップ10の州は下記の通り。

  1. Texas : 9,707MW
  2. Iowa : 3,670MW
  3. California : 2,739MW
  4. Oregon : 1,920MW
  5. Washington : 1,914MW
  6. Illinois : 1,848MW
  7. Minnesota : 1,797MW
  8. New York : 1,274MW
  9. Colorado : 1,248MW
  10. North Dakota : 1,222MW

なお、グローバルエコノミーが低迷なためか、小型風力発電所(100Kワット以下)が2009年は15%も伸びたそうで、全体で20メガワットの伸びになるそうです。小型タービンの製造拠点が7ヶ所全米で新たにオープンしたそうです。