３月に日本に戻った時に書店で見つけて買ったクラウド関係の本に、「Googleで2回検索すると、やかんを1回沸騰させるのと同等量のCO2が排出される」と出ていました。
本で読むとすぐ信じてしまう単細胞な私は「お〜〜そうなのか、やはりサーチエンジンが全世界の膨大なデータをクローリングしてデータを溜めまくって、そこから必要な情報を見つけてくるのは大変なんだな〜」と思っていました。
その後、「データセンターの省電力化」とかを考えている時にこの話を思い出して、元の記事を探してみると、1回の検索でおよそ7gのCO2が作られ、やかんを沸騰させた場合は15gくらいということです。家庭のパソコンを動かす電力と、そのコンピューターが世界のサーバーに出す命令からくるエネルギーをおよそ算出したものだそうです。
色々な研究によると、ITが排出するCO2は地球規模では2%となっているらしく、2007年に初めて航空産業を抜く形となったそうです。Google は世界中に巨大なデータセンターを持ち、大きな電力消費をすることから、「Google検索は間違いなく環境に大きな影響がある」と結論づけているようです。（右の写真はGoogleのDallas Data Centerです。）
と、ここまではそれらの記事の受け売りなんですが、本件に関するGoogleの反論を見つけました。下記にその一部をコピーしますが、これによると、7gではなく0.2gとなっています。
Recently, though, others have used much higher estimates, claiming that a typical search uses "half the energy as boiling a kettle of water" and produces 7 grams of CO2. We thought it would be helpful to explain why this number is *many* times too high. Google is fast — a typical search returns results in less than 0.2 seconds. Queries vary in degree of difficulty, but for the average query, the servers it touches each work on it for just a few thousandths of a second. Together with other work performed before your search even starts (such as building the search index) this amounts to 0.0003 kWh of energy per search, or 1 kJ. For comparison, the average adult needs about 8000 kJ a day of energy from food, so a Google search uses just about the same amount of energy that your body burns in ten seconds.
In terms of greenhouse gases, one Google search is equivalent to about 0.2 grams of CO2. The current EU standard for tailpipe emissions calls for 140 grams of CO2 per kilometer driven, but most cars don't reach that level yet. Thus, the average car driven for one kilometer (0.6 miles for those in the U.S.) produces as many greenhouse gases as a thousand Google searches.
このGoogleの反論に対する反論は見つけられていませんし、私にはどちらが正しいかジャッジする知見はありませんが、よしんば0.2gだとしても、全世界でのサーチの回数が幾何級数的に増えて行っている状況では、もう一桁下げて欲しいと思います。
サーチアルゴリズムの改良も頑張って欲しいと思いますが、やはり世界中のデータセンターでかなり膨大な電力が使われており、クラウド等でデータセンターが増え続けている現状では、データセンターの抜本的な省電力化が急務ですね。この問題も、折に触れて取り上げたいと思います。
