Fuel Cell (2)

アメリカでのFuel Cellの実用例としては、今年(2010年)の2月に、ほぼ10年に近い「スティルスモード」での開発を終え製品を発表したブルーム・エナジー(Bloom Energy)社が有名です。
開発が終わっただけでなく、FedexGoogle、eBay、Walmart、Staplesなどで既に稼働しており、それぞれ「太陽光発電より、効率が良い」とコメントしています。

安藤さんのブログにも記述があります。また、このサイトは、この辺りの事をうまく説明しており、またサイト内の「60ミニッツ」の動画は面白いので、是非見て下さい。 左の写真はeBay社の玄関前に設置されたBloom Energy社のFuel Cell発電装置で、500kWの発電能力があるそうです。
「技術的には大した事無いんじゃないか、マーケティングが巧いのと、前国務長官コリン・パウエル社外取締役をつとめるなど有名人を一杯巻き込んでいるからだろう」という声もありますが、まずは製品化を終え、ちゃんと稼働しているというのは立派なものだと思います。どんな手段を使おうと(合法でなければいけないが)、どれだけお金を使おうと(出資者がOKと言えば)、製品が動いて売上が立てばそれで良いのです。最終的にはマーケットが判断します。(売った方も買った方もお金を出した方も。)


で、旧聞に属する話はこのぐらいで置いて、最近ClearEdge Power社(旧社名:Fuel Cell Systems社)と言う、左の写真の定置型Fuel Cell発電装置を販売している会社(オレゴン州に本社)の広告をよく見ます。左の量産システムで5Kワットの発電能力で、家庭やホテルへの採用が始まっているようです。冷蔵庫位のサイズです。社員は、昨年の1月に33人だったのが、今では150人と急成長しています。また、韓国のLG社から、40Mドル分のシステム納品の契約を取ったようです。
Fuel Cell発電の良い点は、太陽光発電風力発電と違って、時間帯や天候等の外部要因に発電が左右されない事です。今の時点では、水素運搬のインフラが整っていないために(多分当分整わない)、都市ガスをまずシステム内で改質して用いるため、「再生可能エネルギー」かと言われると言われるとそうではないと言わざるをえません。しかしこのClearEdge Power社が下記の様に言っているように、Fuel Cell発電には大きなメリットがあると思います。

  • 電気代が1/2
  • CO2の排出が1/3
  • 太陽光発電に比べて効率が11倍良い

詳細なシステム構成や性能が分からないし、比較の根拠が書いていないので、本当にこの通りかどうか確証はありませんが。(「太陽光発電に比べて効率が11倍良い」と言うのは、かなり疑問がある。2〜3倍と言うならまだ分かるが。)

いずれにしろ、$4B(360億円3,600億円)ものお金を集めて大きく振りかぶったBloom Energy社も、コツコツやって来て韓国から大口受注を取ったClearEdge Power社も、是非頑張って欲しいと思います。大型発電所から送られて来る、どちらかと言うと発電効率の良く無い電力を使うだけでなく(送電によるロスも大きい)、このようなローカルな発電と組み合わせて用いるメリットは大きいと考えます。