台湾の太陽光発電

台湾の半導体生産大手は各社とも太陽光発電パネルの生産に力を入れています。(液晶パネルメーカーも。)
半導体受託生産の大手のUMC社(United Microelectronics Corporation)は、2005年に子会社のNextPower社を設立し、アモルファスシリコン型(a-Si)や微結晶シリコンタンデム型(uc-Si)の太陽電池セルおよびモジュールを生産しています。年間生産量はまだ数百メガワットクラスなので、先日のトップ10には出て来ませんが、資金力に物を言わせ、これからどんどん設備投資して急成長するのでは無いかと思います。他の台湾の太陽光発電パネルメーカーと共通で、ひたすら規模の拡大を図ります。
今のところ、主な輸出先はドイツ、中国、アメリカ。
台湾の太陽電池産業は、一般的に川上のシリコン製造と川下のシステムが薄く、川中のソーラーセルが厚いのが特徴。シリコン製造は山陽科技を筆頭に複数社が参入計画を進めていますが、08年時点ではほぼ100%を輸入に頼っている。
台湾各社は、急速にセル・モジュールの生産能力を拡大していますが、その生産分の販売先として「川下(太陽光パネルを使った発電業務)への展開」が急務です。しかし、昨日書いた様に、台湾国内の太陽光発電はまだまだこれからなので国内での川下戦略には限界があります。そこで、当然の帰結ですが、UMC他の各社はアメリカの川下を狙い、数百メガワット分のパネルを販売するために、アメリカのIPP(Independent Power Producer)とかにも積極的に投資しているようです。
アメリカでは、数百メガワット規模の大型の太陽光発電所の建設計画が目白押しですが、建設計画段階での食い込みが必須です。台湾各社は中国で最近出来た会社に比べると、ワット当たりの単価では負けるかもしれませんが、資金力や品質とかでやはり有利です。