山火事によるリスクを軽減するための計画書「Wildfire Mitigation Plans」

今、北カリフォルニアは雨季のため山火事のリスクは低いですが、今年の冬は雨が少ないこともあり、やがてやってくる山火事の季節が非常に恐ろしいです。
PG&Eは破綻したままで、かつ去年の山火事シーズンは「計画停電を乱発」してめちゃくちゃ顰蹙を買いました。
「そもそも送配電網を私企業に任せていいのか?」という議論は前からありますが、それはここでは横に置きます。
2月28日に、PG&Eをはじめとするカリフォルニア州の私営電力会社が、山火事によるリスクを軽減するための計画書「Wildfire Mitigation Plans」をカリフォルニア州公共事業委員会に提出。
PG&Eは、この計画書で今後3年間に毎年$2.6B、合計$7.8Bを当該対策のために支出すると提案。
2020年について以下の目標を掲げています。
(1) 1,800マイルに及ぶ送電線周辺の植物の管理。
(2) 22,000箇所の送電設備、344,000箇所の電柱、105箇所の変電所の点検。
(3) 241マイルに及ぶ架空送電線(裸線)について、地中化、被覆化、電柱の強化もしくは不要な電線の撤去を行う。
(4) 今後12〜14年かけて合計7,100マイルの送電線を強化する。
(5) 配電網をより小さな区域に自動的に区切ることができる装置を592台設置する。この装置により、停電させる区域をより明確にし、影響を受ける消費者を最小限とすることが可能となる。
(6) PG&E社は、この区域化を進めることにより、大規模計画停電(PSPS: Public Safety Power Shutoff)の対象範囲をこれまでよりも狭く出来る他、装置の修理や交換の際に停電させる範囲を極力狭く出来る。
(7) これらにより、2019年と比較し、PSPSの影響を受ける顧客を33%減少させる。PSPS時に電力回復までの時間を50%短くする。
(8) 既存の626箇所の天候観測装置に加え、新たに400箇所の観測装置を設置し、2021年までに合計1,300箇所とする。
(9) 既存の142台の高解像度カメラに加え、新たに200台を導入し、2022年までに合計600台とする。
(10) 2020年の PSPS時に、稼働するマイクログリッドの数を増加させる。
「う〜〜ん、こんなこと、10年前にやれよ〜」と言いたいが、これはPG&Eの責任だけではなく、州政府の責任も大きいです。
オリジナルはこちら↓。
https://www.cpuc.ca.gov/wildfiremitigationplans/