今回のSolar Power Internationalでは、印象に残る事が多かったのですが、その一つはインバーターでした。下記に箇条書きします。
- インバーターとは、太陽光パネルで発電された結果のDC(直流)電源を家庭の電化装置で使えるAC(直流)に変換する装置。
- また、発電した電力をグリッドにかえすためには厳しい制約があり、その制約を守らなければ(Grid Tie)、余剰電力を発電メーカー(Utilities)に売電できない。(UL1741/IEEE1547)
- 家庭の場合は数キロワット程度のインバーター(湯沸かし器程度)があれば良い(右上の写真は8キロワット)。
- 今回は、パネルメーカーに負けない位のインバーターの会社が出展。
- これまでの主流は、各パネルで発電した結果をDCのままで集めて来て、それを纏めて大きなインバーターでACに変換するケースが多かった。(今もこれが主流)
- メガワットクラスになると、かなり大きなインバーター(大きなロッカーサイズ)が必要。(右の写真はSMA America社の500キロワットのインバーター)
- それでもまだ最大でも1個で500キロワット程度なので、10メガワットならこれが20個必要。
- パネルの保証期間は20年とかが普通になって来たが、インバーターの保証期間は10年とかが多く、パネルの前にインバーターが壊れる事が多い。
- パネルメーカーはパネルのみを売りたいために、インバーターに手を出さないケースが多かったが、最近変わって来た。
- インバーターは、アナログ半導体のノウハウの固まりで、どこもが技術を持っている訳では無い。また高圧がかかるアナログ半導体は壊れ易いので、例えば10年にしろ、保証をするのが大変。
- Maximum power point tracking (MPPT)を効率よく行う必要がある
- 新しい流れとして、各パネルにマイクロインバーターを持ち、そこでパネル毎にDCからACに変換する。この方式を採用する所は、下記の利点を強調していた。
-
- マイクロインバーターの大手はEnphase社で、既に色々なパネルに組込まれて展示されていた。右の写真はWestinghouse社が出展していた、Suntech社のパネルにEnphase社のマイクロインバーター(銀色の箱)を組込んだモジュール。
- 別の流れとして、各パネルではDC/DCの整流のみを行い、最後に整流されたDCを集めてAC化する方式を提案している会社が数社あった。
- 技術系のパネルディスカッションでは、今後のインバーターの流れについて活発に議論が行われた(追って報告します)。